湖底から3000年以上前の剣が出土。3本目の発見で深まる謎

イタリア中部のメッツァーノ湖で、青銅器時代の剣が良好な状態で見つかった。調査開始以来、剣の発見は3本目。先に見つかった2本には宗教的な捧げ物だったとの説もあり、武器が湖底に集まった理由を探る新たな手がかりとして注目されている。

メッツァーノ湖で見つかった青銅器時代の剣。Photo: Facebook/Soprintendenza Archeologia Belle Arti Paesaggio Etruria Meridionale

9月28日、イタリア中部のメッツァーノ湖で、青銅器時代の剣が良好な状態で発見された。湖底には先史時代の杭上住居の集落跡があり、周辺からは青銅製品が数多く見つかっている。Arkeonewsが伝えた。

剣が見つかったのは、湖の南岸にある未調査の部分が多い区域だ。柄を取り付けるための舌状の突起を持つ剣(spada a lingua da presa)で、1970年代に調査が始まって以来、この湖で発見されたものとしては3本目となる。

湖底から見つかった3本目の剣

メッツァーノ湖は、ラツィオ州北部の火山地帯にあり、ボルセーナ湖の西に位置する。湖底には、紀元前1700年ごろから前1150年ごろにかけて人々が暮らした大規模な集落の遺跡が残る。

遺跡は1970年代初めに確認され、1990年代まで断続的に調査された。その後、長い中断を経て2025年に本格的な水中調査が再開。粘土質の湖底から突き出す木杭600本以上の位置が記録されたが、調査範囲は既知の集落跡の約3分の1にとどまる。

再開後の最初の調査では、25点以上の青銅製品が回収された。斧や槍の穂先、衣服を留める金具、環状の飾り、ピン、保存状態の良い鎌などだ。青銅の地金の破片も見つかり、集落内で金属加工が行われていた可能性がある。

メッツァーノ湖で見つかった青銅器時代の剣。Photo: Facebook/Soprintendenza Archeologia Belle Arti Paesaggio Etruria Meridionale
メッツァーノ湖で見つかった青銅器時代の剣と遺物。Photo: Facebook/Soprintendenza Archeologia Belle Arti Paesaggio Etruria Meridionale

今回発見された剣は、この遺跡に武器が集中している理由を考えるうえでも重要だ。剣はこれで3本となり、ほかにも槍の穂先などが出土している。これらは偶然水中に落ちたのか、それとも意図的に湖へ入れられたのかが焦点となっている。

一つの可能性は、集落の木製の床や足場から遺物が落下したことだ。2025年の調査では、木杭が現在の水深約2.5~10メートルの範囲で確認された。集落が存続した約600年間に湖の水位は変動し、木造の建物の一部は火災に遭ったとみられる。青銅製品にも、火を受けた痕跡がある。

偶然の紛失か、意図的な奉納か。

また、現在湖底にある遺物が青銅器時代に置かれた場所にそのままとどまっているとは限らない。床から落ちた後、水位や岸辺の変化に伴って斜面を移動し、別の場所に堆積した場合もあり得る。

一方で、剣が意図的に湖へ入れられた可能性も指摘されている。メッツァーノ湖の遺物を収蔵するヴァレンターノのトゥーシャ先史・ロッカ・ファルネーゼ博物館によれば、以前見つかった2本の剣は、どちらも非常に良い状態で残っていた。金属組織の分析では、2本とも製作工程が完了しておらず、武器として使うには硬さが足りなかったことが分かっている。同館は、宗教的な捧げ物だった可能性を示している。ただし、今回見つかった3本目の剣について、奉納品だったとの結論が出たわけではない。

そのほか、メッツァーノ湖の湖底の粘土に守られ、保存状態の良い土器や木製品、動物の遺骸、石臼、建物に使われた木材なども見つかっている。これらは、イタリア中部における青銅器時代の暮らしを知る手がかりとなる。

研究者たちは現在、出土品と水深の関係を調べている。古い時代のものは深い場所に、新しい時代のものは現在の岸に近い浅い場所に分布する傾向があり、水位の変化に合わせて集落が移った過程を示している可能性がある。

価値の高い青銅製の武器は、なぜこの湖に集まったのか。建物の倒壊や火災によって水中に落ちたのか、それとも別の理由で湖に入れられたのか。3本目の剣は、その謎を解く新たな手がかりとなりそうだ。

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