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2メートルの伝令神ヘルメス像が下水道から出土。古代の人々が宗教弾圧から保護した可能性も

ギリシャ神話に登場する12の神の一人、ヘルメスの石像が、ブルガリア西部に位置する古代都市ヘラクレア・シンティカの発掘作業中に出土した。手や腕は欠損しているものの、全体的には良好な状態で見つかっている。

現在のブルガリア西部に位置する古代都市ヘラクレア・シンティカの発掘作業中に石像を発見した考古学者たち。Photo: Dobrin Kashavelov/AFP via Getty Images

ギリシャ神話に登場するヘルメスの高さ約2メートルの大理石像が、ブルガリアの南西に位置する集落ルピテの下水道で発見された。この付近はかつて、古代都市ヘラクレア・シンティカがあったとされる。石像は、その大きさにもかかわらず非常によい状態で出土しており、現地の考古学者らは、この像が丁重に埋められたと推測している。

ギリシャ国境近くに位置するヘラクレア・シンティカは、紀元前356年から紀元前339年の間にマケドニア王のピリッポス2世によってつくられた。この都市はその後、388年の地震によって崩壊したことで急速に衰退し、500年には完全に放棄されたと考えられている。

古代ギリシャの神々の使者として知られていたヘルメスの石像は、地震が発生したときには下水道に置かれた可能性があると専門家は見ている。しかし、これがキリスト教の台頭によって好まれなくなった異教の慣わしから、石像を守るために下水道に置かれたのか、キリスト教徒が見せしめとして地下に隠したかは定かではない。

ブルガリアの国立考古学博物館に所属し、今回の掘削作業を率いるリュドミル・ヴァガリンスキーはCNNに対して次のように語った

「手や腕は欠損していますが、頭部をはじめに、全体的に保存状況は非常によいです。異教的なものはすべて禁じられ、地域住民は新たな宗教を信仰するようになりましたが、古い神々を大切にしていたようです」(翻訳:編集部)

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