前代未聞の珍事件。パブリックアートに“落ちた”男性をレスキュー隊員が救出
パブリックアートは、日常生活の中で誰もが楽しめる開かれた芸術だ。しかし、いたずら心から銀色に輝く円錐形の彫刻を登った男性にとって、その楽しみは悪夢となり、高くつく経験になってしまったようだ。
カナダのCBCニュースが報じるところによると、4月9日のイースターサンデーの夜、テイラス・ドームと呼ばれる大きな彫刻作品の中から出られなくなった男が消防隊に救出されたのち、逮捕された。
この彫刻は、約1000個にもなるハンドメイドのステンレス球体を円錐形に積み重ねたパブリックアートで、2012年にBall Nogues Studioが制作したもの。アルバータ州エドモントンのハイウェイ脇に設置されている。
当局の話では、救出されたのは26歳の男性で、球根が積まれたように見える彫刻の外側をよじ登っていたところ、頂上付近の隙間から中に落ち、そのまま閉じ込められたという。男性は、自身の通報によって現場に駆けつけたテクニカルレスキューを含む3人の隊員によって救出されたが、公共物にいたずらをしたとして起訴され、その後釈放されている。
エドモントン消防救助隊地区長のトロイ・ブレイディは、CTVニュース・エドモントンの取材に対し、男性を「ピカピカの球体でできた牢獄」から出すのに1時間半かかり、救出にはステンレスの構造物を切断するための道具と油圧式の救助器具が必要だった、と答えている。ブレイディはまた、こうコメントしている。
「こんなことは初めてです。通常こうした器具は、倒壊した建物や事故で潰れた車両などからの救出に使うものですから」
当局によると、男性は円錐形の彫刻から落ちる前に球体のいくつかを壊している。また球体の1つが救助中に取り外された。
エドモントン市のパブリックアート・サイトは、テイラス・ドームをこう説明している。
「この彫刻は、市内のリバーバレイ・トレイル・システム(遊歩道)の主要な分岐点に位置し、ウォーキングやランニング、サイクリング、そして歩くスキーやインラインスケートなどを楽しむ幅広い人々に愛されています。ハイウェイからも見えますが、テイラス・ドームを体験するには、すぐそばにあるトレイルコースを利用するのがベストです」(翻訳:石井佳子)
from ARTnews
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