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英国王室はアーティスト家系⁉ ヴィクトリア女王が描いた絵画がオークションに出品

大英帝国の拡大と王政の改革を行った、イギリスヴィクトリア女王(1819-1901)。彼女が描いた大作の花の絵2点が、来週、ハンソンズ・オークショニアズのロンドン・ショールームでオークションにかけられる。

オークションに出品された、ヴィクトリア女王による絵画作品。Photo: Mark Laban. Courtesy Hansons Auctioneers

作品の予想落札価格は、それぞれ8千ポンドから1万ポンド(130万~160万円)。

イブニング・スタンダード紙によると、絵画に添えられていた証明書には、ヴィクトリア女王の孫であるキャリスブルック侯爵、アレグザンダー・アルバート・マウントバッテンが、彼女の作品であると確認したと記されていた。

ハンソンズのアソシエイトディレクター、Chris Kirkhamは作品について、「出品者の祖父が数十年前に購入したものです。サリー州のコテージにあるいくつかの品物の鑑定を依頼されましたが、そこにあるアンティークの重要性については全く予想していませんでした。この絵画を発見したとき、私は驚きと喜びを同時に感じました」とコメントする。

1945年、ヴィクトリア女王の末娘ベアトリス王女の死後、ベアトリスの息子キャリスブルック侯爵が、ワイト島にある一家の別荘オズボーンハウスの遺品を売却したことがある。

出品者は「私の祖父はアンティークに魅了されおり、生涯にわたって素晴らしい品々を集めました。祖父はワイト島出身なので、キャリスブルック侯爵のセールで購入したとしても不思議ではありません」と声明で述べている。

また、出品者の祖父が絵画と同時期に入手した、ヴィクトリア女王がかつて所有していたレターボックスも売却され、こちらは4千〜6千ポンド(65万~78万円)の値がつくと予想されている。

ヴィクトリア女王の作品がオークションに出ることはほとんどなく、これまでの記録は15点のみである。2015年にクリスティーズ・ロンドンに出品されたメイドの姿を描いた油彩が、最も高額の3万ポンド(約500万円)で落札されており、今回のオークションの結果次第では、今までに出品された絵画の中で最高額の作品となるかもしれない。

Chris Kirkhamは、「英王室の美術品を管理するロイヤル・コレクション・トラストによると、彼女の水彩画やデッサンには家庭生活がよく題材として使われていました。今回の習作2点は、その一環と言えるでしょう」と話す。

絵画が趣味と言えば、ヴィクトリア女王の子孫である新英国王チャールズ3世が、水彩画を描いていることが昨年話題になっている。(翻訳:編集部)

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