マヤ文明を築いたエリート層の集合住宅を発見。チェチェン・イッツァでは初の住居跡
メキシコ南部、ユカタン半島にあるマヤ文明の遺跡チチェン・イッツァで、メキシコ国立人類学歴史研究所(INAH)の考古学者が、エリート層が住んでいたと思われる建造物群を発見した。これまで、この辺りで住居は確認されていなかった。
チチェン・イッツァは、5世紀に建設された。神聖な場所としてマヤのエリートが支配し、干ばつ時には巡礼地となっている。1988年にユネスコの世界遺産に登録され、遺跡内のピラミッドは世界七不思議の1つに数えられている。毎年約200万人が訪れる観光地でありつつも、1998年からは調査が行われている。
発見された集合住居は、入口アーチと、通称「カタツムリの家」「月の家」「ファルスの宮殿」で構成される。考古学者のフランシスコ・ペレス・ルイスは、「ここでは支配者家族が暮らしており、歴史上、初期の集合住居となるでしょう」と話す。
「チチェン・ビエホ」と呼ばれるこのエリアは、今後チチェン・イッツァ遺跡のビジターエリアとして公開される予定である。
考古学者のホセ・オソリオ・レオンは、「まだ発見されていない住居群があるはずです。周辺を調査することで、この偉大な都市を構成していたほかの家族や集落について知ることができるかもしれません」と述べている。
調査は継続中だが、今回の発見は、この都市のエリートたちの日常生活について、より深く知るためのヒントを与えてくれるものである。(翻訳:編集部)
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