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今週末に見たいアートイベントTOP5: ルイーズ・ブルジョワ27年ぶりの大回顧展、メガギャラリーPaceの新拠点オープン記念展

関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!

展示風景:「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」森美術館(東京)2024年 撮影:長谷川健太 © The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo, and VAGA at Artists Rights Society (ARS), New York, 2024.

1. 大西麻貴 + 百田有希 「o+h展:⽣きた全体──A Living Whole」(TOTOギャラリー・間)

熊本地震 震災ミュージアム KIOKU (熊本県、2023年) ©Takumi Ota

注目の建築家ユニットが示す寛容で多様な社会とは

若手建築家、大西麻貴と百田有希は2023年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館キュレーションなど常に注目を集め続けている。大西と百田は、建築を手掛けるとき、多様な背景や特性をもつ利用者や地域の人々の声、その土地に伝わる物語にまで耳を傾け、人の営みを丁寧に拾い上げながら建築に反映する。

本展では、彼らが建築を通して示そうとしている寛容で多様な社会の理想形が、どう建築の風景として立ち上がってくるのか、模型や言葉、インスタレーション等で紹介する。

大西麻貴 + 百田有希 「o+h展:⽣きた全体──A Living Whole」
会期:9月4日(水)~11月24日(日)
場所:TOTOギャラリー・間(東京都港区南青山1-24-3)
時間:11:00~18:00
休館日:月曜

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2. メイシャ・モハメディ 「yesterday I was a tiny tube of toothpaste」(Pace ギャラリー)

Maysha Mohamedi: yesterday I was a tiny tube of toothpaste Pace Tokyo September 6–October 16, 2024 Photo by Keizo Kioku, courtesy Pace Gallery

気鋭のアーティストが抽象画で表現する日本の思い出

メガギャラリーのPaceが東京に構える新スペースのこけら落とし展。メイシャ・モハメディは独学で画家としてのキャリアを積み、ロサンゼルスを拠点に活動しているアーティスト。本展はモハメディにとってアジア初の個展となる。

展示作品は、20年前に日本で短期間働いていたときに綴った日記からインスピレーションを得、2023年と2024年に制作した未発表の絵画を中心に構成される。その絵画の半数は旅で出会った人々や場所の名前が付けられており、モハメディの作品の特徴の1つである、日常生活や人間関係から得た物語や場面を抽象化してパッチワーク状に組み上げるという手法が取り入れられている。

メイシャ・モハメディ 「yesterday I was a tiny tube of toothpaste」
会期:9月7日(土)〜10月16日(水)
場所:Pace ギャラリー(東京都港区虎ノ門5-8-1)
時間:11:00~20:00
休館日:月曜


3. Lulu Lin solo exhibition(Pharos Coffee)

台湾のアーティストLulu Linの作品を日本初公開

Pharos Coffeeは台湾発のコーヒー店。同店では、台湾で活躍するアーティストや工芸作家を紹介する展覧会を開催している。今回は、様々な領域で活動するインターディシプリナリーデザイナ ーとしての顔を持つ台湾のアーティスト、Lulu Linの日本で初めてとなる個展を開催する。人間をモチーフにしながら、その形を覆すような遊び心がある作品は、シュールでありながら、時に不安を感じさせる。

本展ではiPadのイラストレーションから生まれたプリント作品や、セラミック作品が展示されるほか、新作のイラスト付きのステッカーブックも販売される。

Lulu Lin solo exhibition 《metallic stickers, pearl stickers,laser stickers, Washu paper stickers, clear stickers with white ink. Square stickers, custom-shaped stickers, label stickers, sticker rolls, sticker sheets, sticker books, stickers, etc.》
会期:9月7日(土)〜10月27日(日)
場所:Pharos Coffee(東京都千代田区神田神保町1-25-4)
時間:11:00~19:00
休館日:無休


4. 「高井戸芸術祭2024~ReconstRucted Reuse~」(高井戸駅周辺)

アートコレクターが仕掛ける芸術祭。今年は「リユース」がテーマ

現代アートを中心とした芸術で「高井戸」を楽しむ地域振興イベント。本展では、 地元在住のアートコレクター、黒木健一と柵木頼人からなるユニット「THE BLACK FENCE」が所有するコレクションを中心に、高井戸駅周辺の店舗など全7会場で13人のアーティストの作品が展示される。

第2回目となる今年は、3Rキーワード「リデュース・リユース・リサイクル」のひとつ「リユース」に着目した。高井戸芸術祭の特徴でもある「問いかけ」をベースに、リユースとは何か?への問いの再構築を試みる。展示作家は百瀬文、逢坂綾、名和晃平、林田真季、青崎伸孝、リクリット・ティラヴァニライアン・ガンダー、玉山拓郎、トモトシ、丹羽良徳、峰尾有紀、毛利悠子、淺井裕介。

高井戸芸術祭2024~ReconstRucted Reuse~
会期:9月29日(日)〜10月12日(土)
場所:Alocasia(東京都杉並区高井戸東2-29-15)、喫茶マカボイ(高井戸東2-26-7)、STUDIO VISIT(高井戸 西2-1-25高井戸駅前ビル2F)、snip(高井戸西1-5 35)、第六天神社(高井戸西1-7-2)、株式会社ませぎ型 紙製作(高井戸東3-7-2 Tk高井戸ビル4・5F)、Coffee BeansShop高井戸(高井戸西1-5-43)
時間:19:00~22:00(土日は13:00~17:00)
休館日:月火(10月6日、10月12日のみ全会場開催予定、雨天決行)


5. ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ(森美術館)

展示風景:「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」森美術館(東京)2024年 撮影:長谷川健太 © The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo, and VAGA at Artists Rights Society (ARS), New York, 2024.

ルイーズ・ブルジョワの70年におよぶ創作に迫る

20世紀を代表する最も重要なアーティストの一人、ルイーズ・ブルジョワ(1911-2010)の日本では27年ぶり、国内最大規模となる個展。100点を超える作品群のうち、約8割が日本初公開となる。

本展では、才能のある文筆家でもあったブルジョワの膨大な日記や手紙のほか、自身の精神状態を分析した数百もの記録を会場各所に展示している。また、70年ものキャリアの全貌を紹介する約10メートルの年表や、精神分析の記録、展覧会のチラシ、作家の自伝的映像などのアーカイブ資料も展示する。また、ブルジョワと親交があった、言葉を用いた作品で世界的に知られるコンセプチュアル・アーティスト、ジェニー・ホルツァーが本展のための新作を披露する。

ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ
会期:9月25日(水)~2025年1月19日(日)
場所:森美術館(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F)
時間:10:00~22:00(火曜と10月23日は17:00まで、12月24日と31日は22:00まで。入館は30分前まで)
休館日:無休

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