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国際的な犯罪組織からジャクソン・ポロックの未発表作品を押収! 評価額は71億円

国際的な美術品売買の犯罪捜査で、アメリカの抽象表現主義を代表する画家、ジャクソン・ポロック(1912-56)の希少な未発表作品が発見されたとブルガリア政府が明らかにした。短い人生の中で彼が残した作品は少ないため、非常に大きなニュースだ。

ニューヨーク・イーストハンプトンのスタジオで、作品を制作するジャクソン・ポロック。1953年8月23日撮影。Photo: Tony Vaccaro/Getty Images

この発見を最初に報じたブルガリア国営放送(BNR)によると、この絵画は最大で5000万ユーロ(約71億円)の価値があるという。今回の捜査は、アテネ、ギリシャ、ギリシャ領ソフィア島、クレタ島で活動していた犯罪組織をターゲットにしており、これまでにギリシャ人3人とブルガリア人1人が逮捕されている。

今回押収された作品は、ジャクソン・ポロックのサインをかすかに確認することができる。地元メディアのNoviniteによると、既に専門家に引き渡されており、調査の結果、1949年に描かれたポロックの代表的なシリーズであり、カタログには掲載されていない未発表作品であることが判明した。この絵画に関するそれ以上の詳細は明らかにされていない。

ポロックは、1952年のUS版ARTnewsの記事で美術評論家ハロルド・ローゼンバーグが 「アクション・ペインティング」と名づけたドリップペインティングを最初に行った画家として知られている。彼は1956年に44歳で亡くなったため作品数は少なく、中でもドリップペインティングの作品は、オークションで6000万ドル(約78億円)を超える価値がついている。

ブルガリア内務省のペタル・トドロフ長官はNoviniteの取材に対し、「欧州警察、ギリシャなどが協力した、国際的な捜査の成果です。ポロックの作品を押収できたことは、大変喜ばしいことです」とコメントしている。(翻訳:編集部)

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