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えくぼのある「ミニスフィンクス」をエジプトで発見! ローマ皇帝クラウディウスか

エジプトのデンデラ神殿群で「ミニスフィンクス」が発掘された。考古学専門家によると、ローマ皇帝クラウディウスを表していると見られる。

エジプトの考古学調査で発見されたローマ時代の「ミニスフィンクス」。Photo: Courtesy Egyptian Ministry of Antiquities

3月7日にCNNが報じたところによると、エジプトのケナ県で石灰岩の祠とともにこのスフィンクスを発見したのは、元考古大臣でアインシャムス大学教授のマムドゥーフ・アル=ダマティ博士率いる考古学研究チームだ。エジプト観光・考古省は、ローマ時代のものと見られるとフェイスブックに投稿している。

2層からなる祠には、粘板岩で覆われた泥レンガの貯水用水盤がある。考古省によると、スフィンクスは研究者が水盤の堆積物を取り除いている過程で見つかったたという。

アル=ダマティ博士は、口元にうっすらと笑みを浮かべ、両頬にえくぼがあるこの像を、「非常に美しく、王族の特徴が細やかに描かれている」と評している。また、像の下からは、ヒエログリフ(神聖文字)とデモティック(民用文字)が刻まれた石碑も発掘された。

研究チームは2月中旬から発掘作業を開始。国立天文台・地球物理学研究所チームとの共同作業で、まずはデンデラ神殿にある行政官室のレーダースキャンを行い、次いでイシスの門の前に建つ神殿東側に位置する地域の磁気スキャンとレーダースキャンを実施した。

考古省は、デンデラ神殿の東にあるホルス神殿周辺とイシスの門の前で発掘作業を続け、それらをつなぐ道があったことを明らかにしたいと述べている。(翻訳:石井佳子)

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