ナイキがトム・サックスとの協力関係を解消!? サックス側元従業員の告発の影響か
ナイキは、予定していたトム・サックスとのコラボレーションモデルのスニーカーの発売を延期、もしくは中止したようだとComplexが5月5日に報じた。
ナイキは、Complexの取材に対して、「我々は現時点でトムのスタジオと仕事をしておらず、リリースも予定されていない」とコメントした。少なくとも現在は、ナイキがサックスと仕事をしていないことを示しているが、両者の関係に決定的な終止符が打たれたとは言い切れない。
ナイキによる今回の決定は、サックスのスタジオの元従業員が劣悪な職場環境を告発した3月のCurbedによる報道を受けたものだ。従業員を「自閉症」「知恵遅れ」と呼んだり、物を投げつけたりするなどのいじめ行為をサックスがしたという内容に対して、ナイキは、「深く懸念している」と話している。
ナイキとサックスのコラボモデルのスニーカーは 、NASAが火星探査車のテストを行う、カリフォルニア州パサデナにある岩だらけの地形にちなんで名付けられた「Mars Yard」プロジェクトが特に知られている。
Mars Yard 1.0は2012年にデビュー。火星探査車のエアバッグに使われていたベクトラン生地を採用し、現代のロケット科学者のための靴と銘打たれた。2017年のMars Yard 2.0発表時には、先見の明があったのか、ソーホーにあるトム・サックスの象徴的なスタジオで、彼が弟子を教化する過程を描いた、ヴァン・ネイスタットと共同制作のフィルム《The Hero's Journey》が上映されている。
当時、サックスはこのフィルムについて、US版ARTnewsにこう語っている。
「成功した人の中には、失敗を重ねた屈辱的な始まりがなかった人はいないというのを、《The Hero's Journey》では強調したかったのです」
Mars Yard 2.0がリリースされてから6年が経過し、近日中の3.0発表の噂が飛び交っていた。そして、サックスとのコラボレーションシューズ、「General Purpose」の新しいカラーバリエーションを4月に発売する予定だったが、これもまだ実現されていない。(翻訳:編集部)
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