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ラガーディア空港がアートでイメチェン。ニューヨークの作家6人の大規模作品が新たに登場

ラガーディア空港は、国際的に評価されるアーティストの作品を展示するには、いささか意外な場所かもしれない。だが間もなくここに、ニューヨークのアーティストが制作した6つの大規模インスタレーションがお目見えする。

ラガーディア空港ターミナルBにあるローラ・オーウェンズの作品《I 🍕 NY, 2020》 Tom Powel Imaging/Courtesy Gavin Brown’s Enterprise, New York and Rome; Sadie Coles HQ, London; and Galerie Gisela Capitan, Cologne/Commissioned by LaGuardia Gateway Partners in partnership with the Public Art Fund for LaGuardia Airport’s Terminal B.

今春リニューアルオープンするデルタ航空のターミナルCを飾るのは、マリアム・ガニ、ラシッド・ジョンソン、アリーザ・ニーセンバウム、バージニア・オーバートン、ロニー・ケベード、フレッド・ウィルソンによる作品。これは80億ドルをかけたターミナル改修工事の一環として実施されるもので、デルタ航空のアートプログラムから1200万ドルが制作費に投じられる。

同空港を運営するニューヨーク・ニュージャージー港湾管理委員会のリック・コットン代表は、声明で次のように述べている。

「ニューヨークを拠点とする著名アーティストに制作を依頼したことで、ここを訪れる無数の人々が、この街の歴史、多様性、美しさをテーマにした作品に迎えられることになります。より強く、より良いものに生まれ変わったターミナルCは、今後長きにわたって、商業と芸術の世界的な発信地であるニューヨークのシンボルとなるでしょう」

港湾委員会は、6人のアーティストに制作を依頼するにあたり、ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事、デルタ航空、クイーンズ美術館とパートナーシップを組んでいる。2020年にリニューアルオープンしたターミナルBには、イェッペ・ハイン、サビーネ・ホーニッヒ、ローラ・オーウェンス、サラ・ジーの作品が展示されている。これと同様、ターミナルCでも、到着・出発ロビーや隣接するコンコースなど、建物全体に新しいインスタレーションが設置される予定だ。

ブルックリン生まれのアフガニスタン系アメリカ人アーティストのガニは、ニューヨークとその近隣地域(トライステートエリアと呼ばれる)で話されている700以上の言語を、地図上にマッピングした「NYC Language Map(ニューヨーク言語マップ)」をモチーフにモザイク画を作る。ブロンクスに拠点を置くウィルソンは、彼の代名詞でもあるスターライトグローブ(黒い地球儀)を用いた2つの巨大な彫刻を制作。オーバートンは、西側アトリウムの天井から宝石のような素材を使ったオブジェを吊り下げる予定だ。

ニーセンバウムはデルタ航空従業員の肖像を制作し、エクアドル生まれのケベードはジムの床材を使ってニューヨークのエネルギーを壁面に表現する。ジョンソンもまたモザイクを作る予定で、自身の「Anxious Men(不安な人)」シリーズから、これまでで最大規模の作品を制作する。

ホークル知事は、「ラガーディアを世界的な空港に生まれ変わらせるための事業を進める中、私たちは新ターミナルを米国で最も多様性に富む地区であるクイーンズにふさわしいものにしようと取り組んでいます」と述べている。(翻訳:野澤朋代)

※本記事は、米国版ARTnewsに2022年2月23日に掲載されました。元記事はこちら

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