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シャーロット・フェン・フォード(Charlotte Feng Ford)

拠点:アメリカ・ニューヨーク
職業:フィランソロピスト
収集分野:現代アート

フィランソロピストでアートコレクターのシャーロット・フェン・フォードは、かつてUS版ARTnewsに「私の人生の中で、アートやクリエイティブな活動から刺激を受けなかった時期は記憶にありません」と語っている。実際、彼女はこれまで20年以上にわたり、セシリー・ブラウン、草間彌生、カレン・キリムニック、デイヴィッド・ハモンズ、アリス・ニール、ガブリエル・オロスコ、ローラ・オーエンズなどの主要作品を収集し続けてきた。

フォードにとってコレクションとは、「美術館を見てまわり、すばらしい作品と暮らし、そして何よりもアーティストと過ごす時間によって育まれていくもので、心身に活力を与えてくれる喜び」だと話す。そんな彼女が所有する作品の中で、手がかかったものの1つがオラファー・エリアソンの「Sunspot Sphere」(2005)だ。作品設置を行う技術者は、高さが3メートルある球体の彫刻を、太陽の動きに正確に合わせた向きに配置するよう指示を受けていたという。

フォードは、マサチューセッツ州のスミス大学を1983年に卒業。専攻は経済学だったが、最も懐かしく思い出すのはアートの授業だという。2016年に彼女は同大学の美術館に250万ドル(約3億6000万円)を寄付し、現代アートのキュレーター職のための基金を設立した。これによってスミスカレッジ美術館は、現代アート専門のキュレーターを抱える数少ない大学美術館の1つとなった。フォードは、ボストン・グローブ紙の取材にこう語っている。「この基金で、人々が自分の生きる時代のアートと向き合うきっかけを作れればと考えています。そうすることで自分自身をより深く理解することができ、たとえわずかであっても今までとは違う方向へ進むことができるかもしれません」


注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2022年版トップ200コレクターズが発表された2022年10月時点の為替レートによる。

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