マーガレット・マンザー・ローブ&ダニエル・S・ローブ(Margaret Munzer Loeb and Daniel S. Loeb)

拠点:アメリカ・ニューヨーク
職業:ヘッジファンド運営会社
収集分野:現代アート、フェミニスト・アート、戦後美術

ヘッジファンド・マネージャーのダニエル・S・ローブは、オンラインメディアのビジネスインサイダーに、「私がアートを買い始めたのは、ひとえにそれが好きだったからだ」と語ったことがある。有力ヘッジファンド、サード・ポイント創業者の1人であるローブと妻のマルグリット・マンザー・ローブは、リチャード・プリンス、マイク・ケリー、シンディ・シャーマン、アンディ・ウォーホルなど、現代アートの一大コレクションを所有している。また、2013年にサード・ポイントは、大手オークションハウス、サザビーズの大株主となった。

アート業界ウォッチャーなら、「物言う株主」として知られるローブが、2013年に当時のサザビーズCEO、ウィリアム・ルプレヒトの退陣を要求したことを覚えているだろう。ローブは、サザビーズの経営が放漫であると主張。ある手紙に、「最近行われたオフサイトミーティングでは、ニューヨークの有名な『ファーム・トゥ・テーブル』レストランで贅沢なランチとディナーが供された。そこでは、サザビーズの上級管理職がオーガニック料理に舌鼓を打ち、ビンテージワインを飲み、株主に還元されるべき数十万ドルを浪費したと聞いた」と書いている。ローブは2014年末に同社の取締役に就任したが、同年に退任したルプレヒトは、ローブのことを「クズ」だと言ったという。2019年、サザビーズはメディア界の大物、パトリック・ドラヒに売却され、非公開企業となった。そのとき、サード・ポイントが所有するサザビーズ株の価値は3億8000万ドル(約550億円)に上ったと伝えられている。長年にわたる投資が実った形だ。

ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、ローブは2017年、フェイスブックに「力の強い組合の悪党たちに忠誠を誓う(民主党のニューヨーク州上院議員アンドレア)スチュワート・カズンズのような偽善者は、誰よりも有色人種の人々にダメージを与えている」と投稿し、チャータースクール(*1)に関する不満をぶつけたことで厳しく批判された。


*1 保護者・教員・地域団体などが州や地域の教育行政機関から認可(チャーター)を受けて設置し、公費で運営される公設民営型の学校。教育関連法規の多くが免除されるため、独自の教育が可能。

ローブはその後、投稿を削除し、「教育の選択肢に関する自分の強い思いを表現するのに使った言葉は不適切なもので、反省しています。スチュワート・カズンズ議員および不快に感じさせてしまった方々にお詫びします」という声明を発表している。


注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2022年版トップ200コレクターズが発表された2022年10月時点の為替レートによる。
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