リサイクルショップで460円だった花瓶が明治期の著名作家作と判明! オークションの予想落札額は164万円
イギリスのリサイクルショップで3ドル30セント(約460円)で買った小さな花瓶が、日本の明治期の七宝作家、並河靖之作と判明。今月末にオークションに出品される。予想落札額は1万1800ドル(約164万円)。
この4インチ(約10センチ)の花瓶は、イギリスのサリー州で、カレンとアーメットのカップルが「ふらっとリサイクルショップに入って」見つけた。この花瓶のオークションを手がけるカンタベリー・オークション・ギャラリーのプレスリリースの中で、アーメットは、「私は読書、カレンはアートやヴィンテージを探すのが趣味」であると話し、カレンは「アーメットは専門家ではないけれど、素晴らしいセンスと本物を見極める直感を持っています」とコメントしている。
オークション会社によると、アーメットは、この花瓶の底に引っかいたような跡があることが気になったという。しかし当時、この繊細な七宝焼の花瓶がどれほどの価値があるか分からなかった。
調べた結果、この花瓶は明治期の日本を代表する七宝作家、並河靖之(1845-1927)の作品であることが判明した。七宝焼とは、金属片をハンダ付けして作った模様をガラスの粉末で埋め、窯で焼成し、表面を平滑にする手法だ。
カンタベリー・オークション・ギャラリーの共同ディレクターでスペシャリストのクリオナ・キルロイは、「京都の工房で作られた並河靖之の美しい七宝作品は、いくつかのコレクションに所蔵されており、非常に人気があります。彼と濤川惣助(1847-1910)は、19世紀後半から20世紀初頭にかけての、日本の七宝焼の "黄金時代"を代表する作家でした」と話す。
同オークション・ギャラリーでは2019年4月、並河靖之の大きめの花瓶が3万8000ドル(現在のレートで約527万円)で落札されたという。今回発見された花瓶は、7月29日から2日間の日程でオークションにかけられる。CNNスタイルによると、カレンとアーメットは、売り上げの一部を花瓶を見つけた店に寄付する予定だという。(翻訳:編集部)
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