バンクシーの動物シリーズ6作目は黒猫! 盗難防止のために業者が事前に撤去
ロンドン市内に動物をモチーフとした作品を8月5日から描き続けているバンクシーが、6作目となる作品をInstagramに投稿。盗難被害を恐れた業者によって作品は完成から数時間後に撤去されている。
バンクシーがロンドン北東部にある何も貼られていない看板に伸びをしている大きな黒猫を描いた。しかし、盗難被害に遭うことを恐れた業者によって、作品は完成した数時間後に撤去されている。
PA通信の取材に応じたマークと名乗る男によると、看板は8月12日に取り壊されることになっていおり、「破壊されて危険な状態に陥る」ことを避けるために撤去したと語ったのちにこう続ける。
「作品は誰かが回収しにくるまで会社のバックヤードで保管しておくつもりですが、誰もこなければ廃棄することになってしまいます。バンクシーが回収しにくる可能性もあるので、丁重に扱うように言われています」
このネコは、正体不明のイギリス人アーティストが、ここ数日の間にロンドンに出現させた6番目の動物の壁画であり、ヤギ、2頭のゾウ、3匹のサル、オオカミ、そして2羽のペリカンに続いて発表された作品だ。
しかし、ロンドン南部のペッカムにある白い衛星アンテナに描かれたオオカミは、8月8日の真っ昼間にフードをかぶった3人組に盗まれている。
バンクシーはそれぞれの動物の絵をInstagramに投稿し、 自身の作品であることを証明しており、作品に込められた意味を推測するコメントで投稿はあふれかえっている。
バンクシーの代理人はBBCの取材に対して、作品の「テーマに関するコメントは控える」とし、壁画がこれからも描かれる可能性は「あるかもしれないし、ないかもしれない」と答えた。
しかし、オブザーバー紙の取材に対してバンクシーの広報担当者は、7枚目の絵が「まもなく意外な場所に出現するかもしれないので、目を光らせておくべきだ」と応えている。
また、ガーディアン紙は一連の作品について次のような解釈を示している。
「バンクシーが描いたビジョンは単純にこうではないだろうか。暗いニュースが多く、光を見つけることが難しくなってしまったこの時期に、人々を元気づけるためにこれらのストリートアートは描かれたに違いない」
同紙はまた、バンクシー公認の版権管理会社であるペスト・コントロール・オフィスに取材しており「それぞれの作品の裏に隠された意味を読み解こうとする理論的考察は、ちょっと複雑すぎる」との回答が返ってきたという。(翻訳:編集部)
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