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フィッシュ・アンド・チップス店の看板にペリカン現る! バンクシーが動物シリーズ5作品目を発表

8月9日、ロンドン北東部でバンクシーの動物シリーズ第5弾となる最新作が確認された。今度は、魚をついばむ2羽のペリカンがモチーフだ。

2024年8月9日、ロンドン北東部ウォルサムストウにあるフィッシュ・アンド・チップス店の看板に描かれたバンクシー作品。Photo: Matthew Baker/Getty Images

8月9日、またもやバンクシーの新作がロンドンに登場した。今回は、ロンドン北東部ウォルサムストウにあるフィッシュ・アンド・チップス店の黄色い看板をキャンバスに、魚を食べる2羽のペリカンが描かれている。バンクシーはこの作品を、これまで同様、自身のインスタグラムを通じて公表した。


8月5日以降、毎日発表されているバンクシーの新作は、すべて動物がモチーフだ。最初の作品は、ロンドンのキュー橋近くの監視カメラに面した壁の支柱から今にも落ちそうな黒いヤギ、2作目は、チェルシー地区にある邸宅の窓に向かい合う2頭のゾウ、そして3作目は、ロンドン東部の地下鉄駅の橋をつたう3匹の猿だった。

4作目となったのは、南ロンドンのペッカム区にある衛星放送用の白いアンテナに描かれた、遠吠えするオオカミ。しかし、バンクシーのインスタグラム上でこの作品の存在が公表されてから2時間も経たないうちに、はしごを持った2人組によって盗まれた。ロンドン市警によると、通報はあったものの逮捕には至っていないという。

今回の最新作を含む5作品に関するインスタグラムの投稿にキャプションやタイトルは含まれておらず、ネット上には、これらの壁画に込められたメッセージを深読みするコメントがあふれている。

オオカミの作品を含め、これまでバンクシー作品のいくつかは発表まもなく盗難されたり汚されたりしてきた。そう考えると、今回の動物シリーズの他の作品も早急に保護する必要がありそうだ。今年3月に北部イズリントン地区で発見された高圧洗浄機を持つ女性の壁画も何者かによって白いペンキで落書きされたが、作品が描かれた建物の所有者は、その後、プラスチックシートと木の板で作品を保護している。また、2023年12月に発表された道路標識に3機の軍用ドローンを描いた作品も、公表からわずか1時間後に2人の男によって持ち去られている。2人はその後、ロンドン市警に身柄を拘束された。

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