ダニー・ライマー(Danny Rimer)

拠点:アメリカ・サンフランシスコ
職業:ベンチャーキャピタル(Index Ventures)
収集分野:現代アート

ベルギー人の母とカナダ人の父の間に生まれ、スイスで育ったベンチャーキャピタリストのダニー・ライマーは、常にアウトサイダーのように感じていたという。彼は、自らが所属するベンチャーキャピタル、インデックス社のウェブサイトでこう語っている。「私はアウトサイダーであることが性に合っています。アウトサイダーは、支配的な文化にどっぷり浸かるのではなく、外側からそれを観察し、理解し、考察する視点を持てるからです。どこかに帰属していては得られない、グローバルな物の見方をもたらす存在でもあります」

ライマーは1990年代半ば、投資銀行のハンブレヒト&クイスト(のちにJPモルガンが買収)に在籍中、アマゾン、ネットスケープ、ベリサインなどの株式公開に携わり、ハイテク業界で名を知られるようになった。同社ではマネジングディレクターを務め、インターネット分野の株式調査グループを立ち上げた。その後、インターネット業界の新興企業への投資で名をあげたバークスデール・グループのゼネラルパートナーとなった。

1996年にジュネーブで設立されたインデックス・ベンチャーズに入社したのは2002年。同社のロンドン・オフィスを立ち上げた後、カリフォルニアのベイエリアに移り、マイク・ヴォルピとともにサンフランシスコ支社を開設した。インデックス社では、ドロップボックス、スカイプ、フェイスブック、エッツィ、フリップボードをはじめ、ファッション販売サイトNet-A-Porter(ネッタポルテ)、コスメ販売サイトGlossier(グロッシアー)、アート・高級家具・宝石販売サイト1stdibs(ファーストディブズ)、アーティスト支援サイトPatreon(パトレオン)、チャットアプリのDiscord(ディスコード)など、注目の企業に投資を行っている。

2017年、ビジネスでの実績や慈善活動が評価され、イギリス政府による新年の叙勲で大英勲章第4位を授与された。アートコレクションに関しては何も公表していないが、事情通によれば、ベイエリアのハイテク企業関係者の中でも活発にアート収集を行っている1人だという。