ジェン・ルビオ、スチュワート・バターフィールド(Jen Rubio and Stewart Butterfield)

拠点:アメリカ・ニューヨーク、コロラド州アスペン
職業:小売業(Away)、ソフトウェア(Slack)
収集分野:近現代アート

ジェン・ルビオは、2016年に発売されたポリカーボネート製スーツケースで知られるトラベル・ライフスタイル・ブランド「Away」の共同設立者・CEOだ。スチュワート・バターフィールドは、2013年にサービスを開始した企業内チャットツールSlackの共同設立者・CEOで、写真共有サイトFlickrの共同設立者でもある。2人は、まだ幼い息子のオリバーとともに、長らく拠点としていたサンフランシスコからコロラド州のアスペンに移ったばかりで、現在はニューヨーク、アスペン、そしてニューメキシコ州にある牧場を行き来している。

2019年に婚約し、2020年にコロラド州で結婚した2人の慈善活動は、健康、教育、地域改善、社会正義に関するプロジェクトの支援を中心としている。今年初め、ルビオはヤフーとスクリプス研究所(生物学,生命科学分野を中心とした非営利の研究施設)の理事会に加わり、バターフィールドはスクリプス研究所理事会のオブザーバーを務めている。また、ユニセフに2500万ドル(約36億円)の寄付を行った。

以前からアート作品を収集しているルビオとバターフィールドだが、最近そのコレクションには、マリーナ・ペレス・シマオ、シモーヌ・リー、クレア・タブレ、ミカリーン・トーマスといたアーティストが加わった。また、アリシア・クワデが、現在ニューメキシコにある2人の財団を通じて大きなプロジェクトに取り組んでいる(詳細は未発表)。US版ARTnewsのメール取材に2人はこう答えた。「アリシアの作品を初めて手に入れたのは交際を始めた頃でした。私たちが惹かれるのは、彼女の作品の哲学的な側面です。彼女の時間と空間の捉え方は、私たちがこのプロジェクトのために土地をどう使うかということと密接な関係があります」

ルビオは現在、ホイットニー美術館の最年少理事だ。理事会に加わって1年も経たないうちに、彼女とバターフィールドは、ラテン系アートの認知度を高めるため、アソシエイト・キュレーターのポジション創設の資金をホイットニーに寄付。さらに、美術館の若いキュレーターのためのフェローシップ創設も支援している。

「幼い息子のオリバーが、家でも美術館でもアートに夢中になっているのは本当に驚きです」と2人は語る。「コレクションをするのは私たちを生き生きさせてくれる大事な生活の一部なので、子どもの目から見て何が魅力的か、何に惹きつけられるのかを見るのはとても楽しいことです!」


注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2022年版トップ200コレクターズが発表された2022年10月時点の為替レートによる。
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