ARTnewsJAPAN

水道工事中に5500年前の巨大な城門を発見。動乱の時代の不屈の精神を示すシンボル?

8月15日、イスラエル考古局はイスラエルのテル・エラニで5500年前の巨大な城門を発掘したと発表した。城門としては同国最古の発見となる。

城門が発見された、イスラエルのテル・エラニ遺跡。Photo: Courtesy Emil Aladjem/Israel Antiquitieses Authority

イスラエルの主要な水道会社、メコロットが新しいパイプを敷設中に遺物を発見し、同社の資金援助のもと発掘が行われていた。

2つの監視塔を備えた高さ約1.5メートルの門は、青銅器時代初期に見られる巨大な石のブロックで造られていた。同時にれんがで造られた門が発見されたことが考古学者たちを困惑させたが、一緒にに見つかった陶器を調べた結果、2つの門は同時代に使われていたことが分かった。

この門は、青銅器時代が終わりに差しかかる、下エジプトと上エジプトの統一が進められていた時代に、防衛と政治的、社会的、経済的な不屈の精神を示すシンボルとして建てられたと推測される。

これまでにイスラエルで見つかっている最古の門は、今回発見されたものの3世紀後にテル・アラッドで建てられたものだった。

テル・エラニには金石併用時代(銅器時代)から人々が住んでいたが、青銅器時代に大人数が定住し、集落が生まれた。遺跡から発見された陶器から、考古学者たちはテル・エラニの人々はネゲブやユダ砂漠など近隣の地域と交易していたと考えている。(翻訳:編集部)

from ARTnews

あわせて読みたい