リック・ホイットニー、ティナ・ペリー=ホイットニー(Ric Whitney and Tina Perry-Whitney)
拠点:アメリカ・ロサンゼルス
職業:メディア、エンタテインメント
収集分野:現代アート(アフリカ系アメリカ人アーティストやラテン系アーティストの作品、ストリートアート&グラフィティ、写真、陶芸)
ロサンゼルスを拠点とするコレクター、リック・ホイットニーとティナ・ペリー=ホイットニーは、2012年以来、インスタレーション、彫刻、絵画、写真などの現代アート作品を幅広く収集。その中心となっているのはアフリカ系アメリカ人、アフリカ系ディアスポラ、ラテン系アメリカ人のアーティストで、ハリウッド・ヒルズの邸宅にはジュネビーブ・ゲニャール、デレク・フォルジュール、ナリ・ワード、ジョー・グード、ヘンリー・テイラー、セイディ・バーネット、デイヴィッド・シュリグリー、ティン・グエンなどの作品が飾られている。
こうしたコレクションについてペリー=ホイットニーは、「私たちは作品とともに暮らし、そこから発するエネルギーを感じています。こうした作品を購入できるのは素晴らしいことです」と話している。
音楽出版・タレントマネジメント分野の起業家であるリックと、ケーブルテレビ局オプラ・ウィンフリー・ネットワークの社長であるティナは、南カリフォルニアのクリエイティブシーンに深く関わってきた。彼らの文化に対する支援は社会貢献への強い思いに裏打ちされたもので、ティナはカリフォルニア・インスティテュート・オブ・ジ・アーツと、オルタナティブ・アート・スペースのザ・ミステイク・ルームの役員を、リックは非営利アートスペースLAXARTの理事を務めている。
2人がコレクションを始めた頃に購入し、その後の収集の道筋に影響を与えたのがチャールズ・ゲインズだ。また、ブレンナ・ヤングブラッドやサミュエル・リーヴァイ・ジョーンズに加え、最近は、ジャマール・ピーターマンや、写真家の故ローラ・アギラールのプリント作品を入手。メキシコ系アメリカ人のアギラールについて夫妻は、「彼女の作品は実に独特で、印象的なアーティストでした。亡くなったことが惜しまれます」とUS版ARTnewsに語った。
夫妻はこうも言っている。「私たちが心を動かされるのは、社会を反映し、美しいけれども複雑な作品を生み出すアーティストです。アートは、今日のカルチャーに社会的、経済的、政治的な視点を与えます。アートとともに暮らしていると、人生の見方が変わることがあるのです」