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名画の真相が明らかに! 《モナリザ》の舞台からレンブラント「金色」の謎までアート史に残る大発見をプレイバック【2024年アートニュースまとめ】

アートの研究者たちは、日進月歩で進化するテクノロジーを駆使して名画に隠された秘密の解明に挑み続けている。その結果、本人作が否定されるなど従来の美術史を覆すような大発見も。2024年に明らかになった「真実」を振り返ろう。

2012年、ロンドン・ナショナル・ギャラリーに展示されたレオナルド・ダ・ヴィンチ《白貂を抱く貴婦人》。Photo: Dan Kitwood/Getty Images

現存するゴッホ作品のうち3点が偽物だった!

ゴッホ美術館で作品鑑賞する来館者。Photo: KENZO TRIBOUILLARD/AFP via Getty Images

オランダ・アムステルダムのゴッホ美術館は、これまで本物としてきたフィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)の作品のうち、3点が本人作ではなかったことを発表した。


X線分析によりボッティチェリ本人の作品と判明!

サンドロ・ボッティチェリ《Virgin Mary, Infant Christ, and the young St. John the Baptist》(1510年頃) Photo: Chanpaigny-En-Beauce ©Tony Querrec, GrandPalaisRmn

フランスのサン・フェリクス教会に収蔵されていた聖母マリアの絵画が、ボッティチェリによるものであることが、美術史家が実施した分析によって明らかになった。この結果が発表されるまで、ボッティチェリの模写だと考えられていたが、使われていた絵具や下地が同じであったことから、本人によるものであることが判明した。


レンブラント《夜警》の金色に使われていた顔料とは?

アムステルダム国立美術館に展示されているレンブラントの《夜警》(1642)。Photo: Remko De Waal/ANP/AFP via Getty Images

レンブラントの《夜警》(1642)で、金色に輝く衣服の細部を描くのに使われた技法が突き止められた。オランダ・アムステルダム大学の研究によると、レンブラントは複数の硫化ヒ素顔料を用いていたと見られる。


匂う絵画? ダ・ヴィンチの意外な側面が明らかに!

2012年、ロンドン・ナショナル・ギャラリーに展示されたレオナルド・ダ・ヴィンチ《白貂を抱く貴婦人》。Photo: Dan Kitwood/Getty Images

画家、科学者、音楽家としてマルチに活躍したルネサンスの巨匠、レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)。彼が調香の名人だったことはあまり知られていない。


地質学者が《モナリザ》の舞台にまつわる新説を発表!

レオナルド・ダ・ヴィンチ《モナリザ》Photo: Wikimedia Commons

レオナルド・ダ・ヴィンチによる《モナリザ》(1503-1519頃)がどこで描かれたのか。この大きな謎をめぐって多くの学者たちがさまざまな説を唱えてきたが、このほどイタリアの地質学者兼美術研究家が新説を打ち立てた。


売却寸前に救出された幻のカラヴァッジョ作品がプラド美術館で初公開

茨の冠を着けたイエスを描いたカラヴァッジョの《Ecce Homo》(修復後)。Photo: Image courtesy of the private collection

3年前からの調査で本人作であることが判明したイタリア・バロックの巨匠、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョの絵画が、5月27日にマドリードのプラド美術館で初公開された。

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