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  • 2024.01.04

日本のアートフェア・カレンダー。ARTISTS' FAIR KYOTO、アートフェア東京etc.【2024年上半期編】

国内外から実力派ギャラリーが集い、美術作品が売買される「アートフェア」。アートマーケットの潮流を生みだしていく存在であり、ファンにとっては数多くの作家を一度に見て回れる夢のような場だ。アートの国際交流も再び活発化してきたいま、2024年上半期で注目のアートフェアを紹介する。

2023年アートフェア東京会場風景

アートフェア」と言っても、アーティストが自ら企画・運営するものや、古美術から現代アートまで幅広いジャンルを網羅するもの、個性的な会場を舞台にするものなど内容は多種多様だ。切り口によってアートに異なる文脈がもたらされることが面白さのひとつと言えるだろう。2024年上半期に国内で開催されるアートフェアを見ていこう(情報は随時更新)。

1. ARTISTS' FAIR KYOTO 2024

ARTISTS' FAIR KYOTO 2023会場風景。

現代美術家の椿昇がディレクターを務め、アーティストが自ら出品、販売する異色のアートフェア。加藤泉やなぎみわ名和晃平ボスコ・ソディなど第一線で活躍する作家16組が「アドバイザリーボード」となって若手アーティストを推薦し、公募を合わせた45組の新鋭に光を当てる。メイン会場は、京都国立博物館 明治古都館と京都新聞ビル 地下1階。歴史的建造物と新聞の印刷工場跡という趣の異なる2つの空間に、ペインティングからテクノロジーを駆使したインスタレーションまで、多様な作品が並ぶ。

アドバイザリーボードによる推薦は、遠藤文香・久村卓(ミヤケマイ推薦)/大上巧真・小西梨絵(大庭大介推薦)/Christopher Loden・花形槙(やんツー推薦)/ブルノ・ボテラ(名和晃平推薦)/松岡勇樹・吉浦眞琴(やなぎみわ推薦)/松元悠・三宅佑紀(伊庭靖子推薦)/保良雄(加藤泉推薦)/米山舞(ヤノベケンジ推薦)など計30組。アートフェア初心者も、有名アーティストの審美眼を頼りに作品購入を検討できるだろう。清水寺では、アドバイザリーボードたちによる展覧会が開催されるほか、出展者から優れた作品を選ぶアートアワードも開かれる。

日程: 3月1日(金)~ 3月3日(日)/アドバイザリーボード展覧会は3月1日(金)~3月10日(日)
会場:京都国立博物館 明治古都館(京都市東山区茶屋町527)、京都新聞ビル 地下1階(京都市中京区烏丸通夷川上ル少将井町239)、音羽山 清水寺(京都市東山区清水1-294)
公式サイト


2. アートフェア東京

2023年アートフェア東京会場風景

2005年から日本のアート市場をリードし続けてきた、国内最大級の国際的なアートの見本市。古美術や日本画、近代美術、工芸、現代アートなど幅広い作品が展示され、海外のディーラーやコレクターからも注目を集める。会期中の来場者はのべ5万人を突破し、2024年は5700平方メートルの展示会場に、海外7ギャラリーを含む157ギャラリー、美術団体が参加する予定だ。

アートフェア東京は3つの展示セクションで構成される。国内外のギャラリー、美術商が出展するメインセクション「ギャラリーズ」では、日本の長い美術史を体現するように、古美術から近代の巨匠の作品、そして今注目されている現代美術まで幅広いジャンルの作品を展示する。「クロッシング」では、"生活"と"アート市場"の架け橋となる百貨店や、古からの"伝統"と"今"をつなぐ地方工芸団体などが参加し、2つの要素がクロス”する最新のアートシーンを発信する。「プロジェクツ」では、複数のギャラリーが合同で企画する展示や、将来性のあるギャラリーを紹介する。

日程:3月8日(金)~3月10日(日)
会場:東京国際フォーラム ガラス棟 B2ホールE&B1ロビーギャラリー(東京都千代田区丸の内3-5-1)
公式サイト


3. 日比谷OKUROJIアートフェア

© Hibiya OKUROJI Art Fair Executive Committee

アートフェア東京の会場から徒歩圏内、鉄道高架橋下約300メートルに延びる 「日比谷OKUROJI」で、アートフェア東京のサテライトとして開催する。昨年は全国から12ギャラリーが参加。新進からベテランまで、幅広い作家を紹介した。

日程:3月7日(木)~ 3月10日(日)
会場:日比谷OKUROJI(東京都千代田区内幸町1-7-1 )
公式サイト


4. 神戸アートマルシェ2024

2023年の展示風景。

一般社団法人・神戸芸術振興協会が主催し、48室あるホテルのワンフロアを丸ごと使って開催するアートフェア。日本を代表する国際貿易港として発展した神戸から、新進ギャラリーや若手アーティストを世界のアートマーケットへと送り出すことを目標にする。2023年は北海道から福岡までの 32 ギャラリーが参加。約180人のアーティストを紹介した。15回目となる今回は、これまでの流れを継承しつつ更に充実した内容を目指す。

各ギャラリーが客室を1室ずつ使用して、趣向を凝らした展示を行うのが見どころだ。壁面だけでなく、ベッドの上やサイドテーブル、バスルームなども有効活用する。時には、窓の外に広がる神戸港を借景にして作品の魅力を引き出すことも。ホテルの空間で作品を見ると、アートのある暮らしをよりイメージしやすくなるだろう。才能の発掘・支援を目的にした公募展「Artist meets Art Fair」も同時開催。あらかじめ選ばれた入選者から、来場者投票によって「オーディエンス賞」を決定する。

日程:2024年4月19日(金)〜 4月21日(日)
会場:神戸メリケンパークオリエンタルホテル(兵庫県神戸市中央区波止場町5-6)
公式サイト

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