「灰の中から蘇る」不死鳥──ノートルダム大聖堂の新しい尖塔が公開
2019年4月15日に火災に見舞われたノートルダム大聖堂の尖塔の改修が他の部分に先立って完了し、公式インスタグラムで公開された。この新しい尖塔は高さ約96メートルで、頂上に黄金の雄鶏と十字架を掲げている。その内部にはイエスの茨の冠とされるものの破片を含む、多くの聖遺物が収められている。尖塔は2023年12月にパリ大司教によって祝福を受けた後、クレーンでの取り付け作業が行われていた。
13世紀に大聖堂が完成した当初からあったこの尖塔は、18世紀後半に破損したため撤去され、19世紀にヴィオレ・ル・デュックによって再建された。2019年の火災時には天井とともに焼け落ちたが、祭壇や十字架は被害を免れた。今回の再建では、ル・デュックのデザインを継承する形で、ノートルダム寺院の大規模な改修プロジェクトの責任者である建築家、フィリップ・ヴィルヌーヴが担当した。
ヴィルヌーヴは尖塔の上にある雄鶏のデザインについて、「大聖堂は不死鳥のように灰の中から生まれ変わることができる」という意味を込めて、炎の翼を持つ姿にしたと語っている。
ノートルダム大聖堂は、2024年12月8日から再び観光客を受け入れる計画だ。しかし、建物とその周辺の修復は2028年まで続く予定。フランスのマクロン大統領は火災から5年以内に大聖堂を完成させると約束しており、7月からのパリオリンピックでの公開が期待されていたが、残念ながらそれは叶わなかった。(翻訳:編集部)
from ARTnews