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  • 2024.03.22

麻布台ヒルズに7月開業のペースギャラリー副社長に、フィリップス元日本代表の服部今日子が就任へ

麻布台ヒルズにまもなくオープン予定のペースギャラリー副社長に、世界三大オークションハウスに数えられるフィリップスの日本代表、服部今日子が就任することが決まった。

ペースギャラリーの副社長就任が発表された服部今日子。

メガギャラリーの日本初進出としても世界的に注目される、麻布台ヒルズに今年7月初旬オープン予定のペースギャラリーの副社長に、世界三大オークションハウスであるフィリップス・オークショニアズの元日本代表、服部今日子が就任することが決まった。服部は5月よりチームに加わり、東京拠点のオープンを率いる。

東京大学経済学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーや不動産デベロッパー、不動産投資ファンドなどを経て、2016年にフィリップス日本代表として東京オフィス立ち上げに尽力した服部今日子は、自身も20年近く前から主に国内外の現代アーティストの作品をコレクションしている生粋のアートラバー。フィリップスでは主にコンテンポラリーアートの分野で活動し、オークションだけでなくプライベートセールも担当、日本におけるブランド構築や顧客開拓に貢献した。

今回、東京・麻布台ヒルズでのオープンが待たれるペースギャラリーの副社長就任にあたり、服部はプレスリリースで新しいチャレンジに対する期待をこう語っている。

「ペースギャラリーに加わり、東京のギャラリー立ち上げに携われることを大変嬉しく思います。日本のアーティスト、 そしてコレクターや美術館が世界のアート界とのつながりをさらに深め、日本のアジアにおける文化・アートの中心地としての躍進に貢献できることを光栄に思っております」 

麻布台ヒルズのペースギャラリーは7月にオープン予定。ギャラリーの内装は日本を代表する建築家の一人、藤本壮介が担当。写真はイメージ。Photo: © DBOX for Mori Building Co., Ltd

パブロ・ピカソやマーク・ロスコ、アグネス・マーティン、ジャン・デュビュッフェ、ルイーズ・ネヴェルソンら20世紀を代表する作家から、ジェフ・クーンズ、ジェームズ・タレル、奈良美智、李禹煥、メアリー・コースなどの現在のアートシーンの第一線で活躍する作家までを扱うペース・ギャラリーは、1960年にアーネ・グリムシャーがボストンで創設したギャラリー。1963年にニューヨークに移転後、美術史に残る数々の企画展を開催し高い評価を獲得する。2011年にアーネの息子マーク・グリムシャーが社長兼CEOに就任すると、ヨーロッパやアジアにも勢力を拡大。現在、ニューヨークの2拠点を含め、ロサンゼルス、ロンドン、ジュネーブ、香港、ソウルの6都市に7つのギャラリーを展開しており、東京は8拠点目となる。

同ギャラリーは2022年に組織改革を行ったが、その際にマーク・グリムシャーから社長のバトンを渡されたサマンサ・ルーベンス(マークはCEOに専任)は、服部の副社長就任をこう歓迎した。

「服部がもたらしてくれるのは、日本と世界のアート市場における⻑年の経験だけでなく、日本と世界各地のキュレータ ーやコレクター、アーティストと培ってきた関係性です。ペースにとって、彼女の素晴らしいエネルギーと知識は大きなプラスとなります。今日子と日本のチームによって、日本の歴史的文化と現代文化の両方が持つ活気と深みが、我々のコミュニティ全体に素晴らしい影響を与えてくれるでしょう」 

服部にとって副社長就任後の初仕事となるのが、ペースギャラリーとの共催で麻布台ヒルズギャラリーで530日から96日まで開催される企画展「カルダー:そよぐ、感じる、日本」だ。本展は、東京では実に35年ぶりとなるアレクサンダー・カルダーの個展となり、代表作のモビールから油彩画、ドローイングまで、カルダー財団が所蔵する193070年代までの約100作品で構成される。これに合わせ、ペース・パブリッシングより日英版のカタログも出版される予定だ。

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