ソウルのハングル博物館で火災。国宝9点を含む重要文化財は無事、リニューアルオープンは延期か
2月1日、ソウルの国立ハングル博物館で火災が発生し、3階と4階部分が全焼した。複数の韓国メディアによると、同館は収蔵品約8万9000点を隣接する国立中央博物館へと避難させている。

ソウル龍山区にある国立ハングル博物館で2月1日、火災が発生した。同館は増築工事のため2024年10月から休館しており、ソウル消防当局によると午前8時40分頃、工事中だった3階から火が出たと見られている。火は3時間50分後にほぼ消し止められ、館内にいた6人のうち4人が自力で避難して2人が救助されたが、消防士1人が落下物に当たって負傷し病院に搬送されている。今回の火災で館内の文化財に被害は無かったという。
2014年に開館した国立ハングル博物館は、李氏朝鮮の第4代国王世宗の指導の下で1443年に作られた韓国の文字体系、ハングルとその歴史に関する資料や遺物のコレクションを所蔵している。
火災の直後、同館は15世紀半ばに朝鮮の世祖王が出版した仏教書『五輪錫纂』や、正祖王の朝鮮文字集『御製韻書』など国宝9点を含む約250点の重要な品々を、隣接する国立中央博物館や国立民俗博物館へと避難させた。
コリアタイムズによると、火災の翌日に博物館の関係者は被害状況の確認をし、1階の展示室に展示・収蔵庫に保管されている約8万9000点の所蔵品について、国立中央博物館へと避難させる協議を進めた。すでに移動を開始しており、博物館の関係者によると全ての収蔵品は約1ヶ月で移動完了する予定だという。
火災の具体的な原因は、まだ分かっていない。同館は今年10月にリニューアルオープンする計画だったが、今回の火災により予定日には間に合わないと考えている。(翻訳:編集部)
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