AIがeBayに出品中の絵画作品は「95%の確率で偽物」と判定。中には9000万円超の「モネ作品」も
eBayに出品されている40点の絵画を、スイスに拠点を置く企業Art RecognitionがAIを駆使して鑑定した。なかにはモネやルノワールが制作したとされるものも含まれていたが、今回AIが鑑定した作品はすべて「95%の確率で偽物」であることが判明した。
オークションサイトeBayに出品されている40点の絵画が偽物であるというAI鑑定結果が出た。出品されていた作品のなかには、クロード・モネとピエール=オーギュスト・ルノワールの作品も含まれていたという。
スイスに拠点を置く企業、Art Recognitionの創業者兼最高経営責任者(CEO)であるカリーナ・ポポビッチがガーディアン紙に語ったところでは、「最先端のAI技術」を使ってeBayの商品画像をスキャンしたところ、「最大で40点の」絵画が贋作である可能性が高いことが判明したという。ポポビッチはこう続ける。
「商品画像をダウンロードしてAIに識別してもらいましたが、アルゴリズムがこれらの作品を偽物だと判断したのです。鑑定したものはすべて、95%の確率で本物の作品ではないことが明らかになりました。これはきっと氷山の一角にすぎないと確信しています」
ガーディアンによると、ポポビッチが構築したAIによって偽物だと識別された商品画像には、《Forest With a Stream(小川のある森)》と題されたモネの作品が含まれており、59万9000ドル(約9330万円)で出品されていた。また、ルノワールが制作したとされる習作には、16万5000ドル(約2570万円)の値が付いている。
eBayの利用規約には「偽造品の販売は違法です。偽造品や無許可で複製された商品を当プラットフォームで販売することは固く禁じています」と記されている。
eBayはガーディアン紙に対し、プラットフォームで販売される商品が本物であることを保証することに全力を尽くしているとコメントしており、贋作と識別された出品作品の少なくとも一つはすでに取り下げたという。また、ルノワールの贋作も同紙の記者が出品者に連絡をとったのちに出品が取り下げられた。
「私たちは、何十ものAIの技術や専門的な訓練を受けた調査員、そして買い手を守るプログラムを駆使することで、マーケットプレイスの健全性を維持しています。2022年には偽造品の疑いがかけられた8800万点の出品を阻止し、130万点の商品をプラットフォーム上から削除しました」
一方、5月9日の時点で、モネが制作したとされる作品は依然として出品されたままだ。(翻訳:編集部)
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