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スター街道まっしぐら! 29歳のジョージ・ルーイがハウザー&ワースの最年少所属アーティストに

今、最注目の若手イギリス人画家、ジョージ・ルーイが世界3大メガギャラリーの一角を占めるハウザー&ワースとの所属契約を結んだ。現在29歳のルーイは、世界18カ所に拠点を持つ同ギャラリーの最年少アーティストとなる。

作品の前に座るジョージ・ルーイ Photo: Kemka Ajoku

今回の契約により、ハウザー&ワースロンドンのハンナ・バリー・ギャラリーと共同でジョージ・ルーイを扱うことになった。ハンナ・バリー・ギャラリーは、2018年にルーイにとって2度目の個展を開催している。

ルーイの絵画作品は、輪郭がぼやけて抽象化された肉体で、描かれた人物の揺れ動く心理状態を捉えているのが特徴。ルーイによると、大まかなベースは実在の人物だが、必ずしも現実を表すものではないという。

近年はニコラ・ヴァッセルやペレス・プロジェクツなど大手ギャラリーでの個展が相次ぎ、Xミュージアム(北京)、K11アートファンデーション(香港)、アルベルティーナ美術館(ウィーン)などのグループ展にも参加するなど、その活躍には目覚ましいものがある。

ハウザー&ワースでは、10月にロンドンでルーイの初個展を行う。その後、11月には振付家のシャロン・エリアルとのコラボレーション作品の発表が予定され、ロンドンを皮切りにパリ、ウィーン、ミラノへと巡回する。

ジョージ・ルーイ《Stains on the Scenery(風景の染み)》(2024) Photo: ©George Rouy/Photo Damian Griffiths/Courtesy the artist, Hannah Barry Gallery, and Hauser & Wirth

ハウザー&ワースのパートナー兼グローバル・クリエイティブ・ディレクターのニール・ウェンマンは、所属発表の声明でルーイをこう評している。

「ジョージ・ルーイの独創的な絵画やパフォーマンス作品が語るのは、挑戦的な現代性、圧倒的な不安、罪悪感を伴う人生の喜びです。まるで精神と肉体の狭間、個々の思い出と記憶の総体の狭間に囚われたかのように、不快でありながら懐かしいような、親しみやすいけれど反発を感じるような矛盾した感覚が呼び覚まされます。私たちは彼の絵を見ることで感情をかき乱され、それを抑えようと息が詰まり、そして解放されるというループに巻き込まれるのです」(翻訳:石井佳子)

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