ニューヨークJFK空港の新ターミナルに現代アートが大集結! 予算約35億円、7カ国18作家を招聘
2026年にオープンするニューヨーク・ジョン・F・ケネディ空港の第6ターミナルに、ラシード・ジョンソンをはじめとする18名のアーティストの作品が配されることが発表された。「ニューヨークという土地を印象づける」ため、総工費およそ6630億円のうち約35億円をアートに投下する。
世界で最も多くの人が往来する往来する場所の一つである、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港(JKF空港)は、じきに世界有数のアートの発信地となるだろう。というのも、ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社は、2026年に新たに完成予定の第6ターミナルのために7カ国から18人のアーティストを招聘し、インスタレーションを制作することを発表したのだ。
42億ドル(約6630億円)の建設費が投下された新ターミナルには、スカイ・ホピンカ、チャールズ・ゲインズ、バーバラ・クルーガーといったニューヨークを拠点とするアーティストの作品が展示される見通しだ。これ以外にも、メキシコ出身のフェリペ・バエサ、ソマリア出身のウマンなど、ニューヨーク市やニューヨーク州を拠点としながらも、海外で生まれたアーティストも多数選出されている。
第6ターミナル完成の暁には、JFK空港はニューヨーク州内最大の常設アートコレクションを誇る空港になる。JFK空港のほかにも港湾公社は、クイーンズのラガーディア空港とニュージャージー州のニューアーク・リバティー国際において、パブリックアートを展示してきた実績をもつ。
2022年に改修工事が完了したラガーディア空港のターミナルCは、多様性のあるニューヨークの歴史にちなんだ大規模な作品6点を展示。これらの作品は、ラシード・ジョンソン、アライザ・ニセンバウム、ロニー・ケベドらが手がけている。また、ニューアーク・リバティー国際空港にはレイカ・ヌナ・ヤワルとカーリン・オリヴィエによる大作が壁面を彩っている。
今回JFK空港の第6ターミナルに飾られる作品の予算は2200万ドル(約35億円)で、ラガーディア空港の約2倍。この資金を調達したのは、空港を管理するVantage Airport Groupのグループ会社、JFK Millenium Partnersで、Vantage Airport Groupはラガーディア空港のアート展示にも出資している。港湾局はまた、ラガーディア空港とニューアーク・リバティー国際空港のアートの調達を委託しているニューヨークの非営利団体「Public Art Fund」と再び提携しており、ラガーディア空港に展示される作品のキュレーションは、クイーンズ美術館が担当するようだ。
第6ターミナルに展示される予定の作品には、ローレ・プルヴォストとヤン・ヘギュによる吊り下げ式の彫刻、ネヴィン・アラダグとスカイ・ホピンカによる壁面ペインティング、そして「ニューヨークに今いるという感覚」が感じられる10点のガラスモザイク作品が床に配されるという。ガラスモザイク作品を手がけるのは、シャーラ・ヒューズ、エディ・マルティネズ、カンブイ・オルジミ、カンディダ・アルバレス、そしてシャルリーヌ・フォン・ハイルといったアーティストたち。第6ターミナルの新設に際してニューヨーク・ニュージャージー港湾公社のエグゼクティブ・ディレクターを務めるリック・コットンは、次のような声明を発表した。
「当社が世界トップクラスの空港を造り、空港そのものが目的地となることを目指すうえで、ニューヨークという土地を印象づけるためにもパブリックアートの存在は欠かせません。ラガーディア空港や、ニューアーク・リバティー国際空港のターミナルAと同様、JFKの第6ターミナルに設置される作品は、旅行者を魅了し、ニューヨークでしか感じることのできない場所や環境を提供できるに違いありません」(翻訳:編集部)
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