京都の老舗織屋「HOSOO」が、メンフィス主要メンバー率いるスタジオとコラボ。凱旋展を開催中
京都の「HOSOO GALLERY」では、今年4月に開催されたミラノデザインウィークで発表した、京都の老舗織屋「HOSOO」とイタリア・ミラノの建築・デザインスタジオAMDL CIRCLEの協業による新作テキスタイル・コレクション「The Mind Landscape」の日本初公開展が開催中だ。
「HOSOO」は、元禄元年(1688年)、京都西陣で大寺院御用達の織屋「細尾」として創業。そして1923年には帯・着物の卸売業を開始し、日本各地の伝統的染織文化を国内外に紹介し、着物文化を未来に繋げていくことを使命に、様々な活動を展開してきた。他の文化芸術領域とのコラボレーションも積極的に行い、地元京都で開催されるアートフェア、ACKでの展示(2022年)や、現在森美術館で開催中の「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」でテキスタイルのコラボレーションを行うなど、アート業界との連携も深めている。
今回、京都のHOSOO GALLERYで開催される「The Mind Landscape」は、2024年4月にミラノデザインウィークで発表した新作テキスタイル・コレクションの里帰り展だ。このコレクションにおいてHOSOOは、イタリアの前衛的なデザイナー集団「メンフィス」の主要メンバーとして知られるミケーレ・デ・ルッキ率いるミラノのスタジオ、AMDL CIRCLEと協業している。
「The Mind Landscape」は、自然に対するミクロとマクロの視点を融合し、テキスタイルとして再構築した作品。中でも重要なモチーフは樹木だ。樹木は、大地から水を吸い上げて成長し、花は虫や鳥に蜜を与え、果実で動物を養い、葉を落として大地の土壌を豊かにする。生命循環を支える生態系の支柱の一つでありながら、工芸や建築をはじめ、さまざまな人間の創作活動に素材として用いられてきたのが樹木なのだ。
本シリーズは、そんな樹木の拡大写真と衛星写真を融合させた、4つのモチーフで展開する。複層的な視点の融合は、樹木という素材の本質的な美しさを見極める職人の眼差しを現出させる。それらを職人の創造性によって天然繊維を用いた織物として構築することで、新たな心象風景を描き出す。
そのほか会場には、制作プロセスで重要なモチーフとなったオブジェクトや写真を紹介するとともに、本コレクションに関連する樹木や自然、環境にまつわる書籍を選んで展示している。
The Mind Landscape
会期:7月27日(土)~ 10月13日(日)
会場:HOSOO GALLERY(京都府京都市中京区柿本町412)
時間:10:30 ~18:00(入場は15分前まで)
休館日:祝日