派出所が水槽に! バンクシーが動物シリーズ第7弾を発表
8月5日(現地時間)以降、イギリス・ロンドンの街中に動物をモチーフとした作品を描き続けているバンクシーが、7つ目となる最新作の存在をインスタグラム上で明かした。
8月10日、バンクシーの広報担当者はファンに向けて、また新たな壁画が公開される可能性を示唆していたが、事実、8月11日にバンクシーは自身のインスタグラムを通じて7つ目の作品を公表した。最新作の舞台となったのは、ロンドンの金融街、シティ・オブ・ロンドンのポリスボックス(警備派出所)だ。水槽に見立てられた電話ボックス型の派出所の壁面に、ピラニアのような魚の群れが描かれている。
バンクシーが動物シリーズの最初の作品を公表したのは、8月5日。その後、毎日1作品、ロンドンの異なる場所で新作を描き続けており、今回の魚の群れの作品は7つめとなる。ソーシャルメディア上では、このシリーズのモチーフとなっている、黒いヤギ、象、猿、ペリカン、大きな猫、そして今回の魚が何を意味するのか、様々な憶測が飛び交っている。
しかし、ガーディアン紙がバンクシー公認の版権管理会社であるペスト・コントロール・オフィスに取材したところによれば、「それぞれの作品の裏に隠された意味を読み解こうとする理論的考察は、ちょっと複雑すぎる」との回答が返ってきたという。これを受けて同紙は、「アーティストのビジョンは単純だ。最近のニュースには暗いヘッドラインばかりが踊っていること、そして陰が光を覆い隠そうとしているこの時代に、大衆を元気づけるために描かれたものなのではないか」と述べている。
ロンドン市警によれば、このポリスボックスに壁画が描かれる様子はCCTVカメラに映っているというが、当局はこの映像をどう扱うべきかについて検討中という。
「この作品は破壊行為であり、犯罪です。その上で、ポリスボックスを所有するシティ・オブ・ロンドン・コーポレーションと対応を検討中です」
これまでのところ、この動物シリーズの7作品のうち2点が、発見からわずか数時間で盗難あるいは撤去されている。そのうちの一点であるロンドン南部ペッカムの衛星アンテナに描かれたオオカミの作品は、29日に公表されるやいなや、白昼堂々フードをかぶった3人組に盗まれた。またロンドン北東部の看板に描かれた大きなネコは、盗難防止のため業者によって撤去された。
from ARTnews