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USオープンとアーモリー・ショーが今年もコラボ! 少数民族アーティストの作品にフォーカス

ニューヨークで開催されるアーモリー・ショーのスピンオフイベントとして、少数民族アーティストの作品に焦点を当てる「アーモリー・オフサイト」。今年もUSオープン期間中に実施され、松山智一の作品が展示されるほか、ニューヨーク市内でパフォーマンスも行われる予定だ。

エヴァ・ロバート《Fantasy of Happiness》(2022)。Photo: Courtesy of the Armory Show/Ruttkowski;68

全米オープンテニス選手権大会と提携し、大会期間中にUSTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センターの敷地内に彫刻やインスタレーションを展示する「アーモリー・オフサイト」が今年も実施されることをアーモリー・ショーが発表した。2021年から続くこのパートナーシップについて、アーモリー・ショーのディレクターを務めるカイラ・マックミランは次のように話す。

「私たちは、USオープンと再び提携し、少数民族アーティストの作品を紹介できることをうれしく思います。アーモリー・ショーと全米オープンは、ともにニューヨークの秋の風物詩であり、ニューヨークで様々な文化イベントが開催される時期に実施されます。このパートナーシップを通じて、アーティストやアートを発見する機会を提供することで、アート初心者から親しみのある人々にリーチし、フェアに毎年足を運んでもらえるようなつながりが形成されることを期待しています」

今年の「アーモリー・オフサイト」に出品が決まった松山智一の《Runnder》(2021)。

全米オープン期間中に展示される作品には、アステカとマヤの神話を探求するクラウディア・ペーニャ・サリナスによるインスタレーション《Tetl Mirror I》(2024)が含まれる。また、廃棄されたテニスボールをフェンスの間に挟み込んだエヴァ・ロバートの彫刻作品《Fantasy of Happiness》(2022)、台湾系カナダ人の彫刻家、アン・テ・リュウの銅像作品《Venus Redux》(2018)、松山智一の《Runner》(2021年)も展示される。

作品は8月19日から9月8日まで展示され、USオープン・ファン・ウィークの一環として、ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センターには8月19日から8月25日まで無料で入場可能。

アン・テ・リュウ《Venus Redux》(2018)

アーモリー・オフサイトの一環として作品の展示以外にも、ニューヨーク市全域で公演が行われる。アーティストのマリア・マグダレーナ・カンポス=ポンスの近作《Procession of Angels for Radical Love and Unity》(2024)は、ハーレム・アート・パークからマディソン・スクエア・パークまで、歴史的に重要なニューヨークの7つのコミュニティを訪れ、それぞれの場所で詩の朗読を行い、最後にワークショップとパフォーマンスを行うとプログラムだ。

また、「創造的な力と先見的なキャリアを悲劇的かつ早々に中断させられたクィア・アイコン」へのオマージュとなる20分間のパフォーマンスが、オリバー・ヘリングによってバワリーで披露され、デヴィッド・サールの新作がタイムズスクエアで開催されるパブリックアート・プログラム「ミッドナイト・モーメント」の一環として展示される。

今年で30周年を迎えるアーモリー・ショーは9月6〜8日まで開催され、9月5日にはマンハッタンのジャビッツ・センターでVIPプレビューが行われる予定だ。(翻訳:編集部)

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