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  • 2024.08.23

今週末に見たいアートイベントTOP5: 川内倫子、谷川俊太郎らが仕掛ける「オバケ万博」、土門拳が撮った「眼」の展覧会

関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!

「Perspectives」(PARCEL)より展示風景。Photo: Kohei Omachi (W)

1. 「オバケ?」展 (PLAY! MUSEUM)

参考図版 針聞書(蟯虫) 出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)

猛暑をふきとばせ!クリエイター約20組が参加する「オバケ万博」

その名を聞いただけでドキドキするマジックワード「オバケ」を、規格外のクリエーションで楽しみ尽くす体験型の展覧会。落語家の春風亭一之輔による名作絵本『ねないこだれだ』の朗読や、谷川俊太郎・谷川賢作親子による軽快なオバケ音楽「けいとのたま」など、絵本、漫画、アニメーション、写真など、多彩なクリエイター約20組が参加する。

Allright Graphics、川内倫子ら「オバケ研究員」が成果を発表する「オバケ研究所」、普通に怖い「オバケ屋敷」、「オバケデザイナー」祖父江慎がつくる摩訶不思議な「オバケ湯」、オバケに変身できる「オバケ工場」など、親子で楽しめる企画も盛りだくさんだ。

「オバケ?」展 
会期:7月13日(土)〜9月29日(日)
場所:PLAY! MUSEUM(東京都立川市緑町3-1)
時間:10:00〜18:00(入場は30分前まで)
休館日:無休

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2. 「The Eyes -土門拳が撮った眼-」(土門拳記念館)

肉体に関する八章 第八章 《誰がために心の窓を開きたる》1948年/ 土門拳記念館所蔵

土門拳が撮った「眼」を辿る展覧会

写真家・土門拳(1909−1990)が撮影した多様な「眼」に焦点をあてる展覧会。土門の作品『ヒロシマ』や『筑豊のこどもたち』には、何かを強く求め訴えかけてくるような眼や、現代の私たちの在り方を問うような深く静かな瞳など、被写体となった人々の眼が印象的な作品が数多く含まれている。土門が写した多くの「眼」から、眼の中に刻まれた時代と、今も生き続ける記憶を感じることができるだろう。

また、会期の後半には一部展示替えがあり、「酒田市土門拳文化賞」の受賞作品展と、グループ展「KDMoP Shonai Photo Meeting −リミックス土門拳−」が順次開催される。

「The Eyes -土門拳が撮った眼-」
会期:7月19日(金)〜10月22日(火)
場所:土門拳記念館(山形県酒田市飯森山2-13)
時間:9:00~17:00(入場は30分前まで)
休館日:8月29日(木)、9月25日(水)〜26日(木)


3. 「メディウムとディメンション:Maze」(GASBON METABOLISM)

「Maze=迷路」で問う複雑性の意義

本展は、美術評論家・中尾拓哉がキュレーションを務めた。「Maze=迷路」をテーマにした9つの展覧会を、1つの会場で同時開催するという構成だ。各展覧会はそれぞれに特異性をもって、それ以外の8つの展覧会と時間と空間を共有し、重なり合う。アートにおける時間と空間、その認識の境界について再考することで、現代表現に潜む複雑性の意義を問い直す。

参加作家は久保田荻須智広、うしお、玉山拓郎、鹿野震一郎、豊嶋康子、長田奈緒、磯谷博史、高田安規子・政子の8組。

「メディウムとディメンション:Maze」
会期:7月26日(金)〜 9月2日(月)
場所:GASBON METABOLISM(山梨県北杜市明野町浅尾新田12)
時間:11:00〜17:00
休館日:火~木


4. 「Perspectives」(PARCEL)

Photo: Kohei Omachi (W)

現代社会を見つめる4作家によるグループ展

国内外から4人の作家を集め、絵画表現を通し独自の視点と多様な表現方法を通じて、現代社会における役割や視点を探求する展覧会。

参加作家は、訪れた風景を軽やかに捉え、空気感や気配をも作品に留める小西真奈のほか、ディナ・ガディア、シャギニ・ラトゥナ・ウーラン、森千裕。​​それぞれが異なる方法で身の回りの事象や対象、自身に起きた出来事をモチーフにしている。目まぐるしく変化するこの混沌とした社会情勢の中、改めて周囲にある物や人に目を向ける大切さを感じ取ることができるだろう。

「Perspectives」
会期:7月27日(土)〜 9月8日(日)
場所:PARCEL(東京都中央区日本橋馬喰町2丁目2-1)
時間:14:00 〜19:00
休館日:月火


5. 「Eudaemonia」(Gallery Common)

12人の作家と再考する「幸福」

「幸福」に到達することが難しく感じる不条理な世の中でも、自分と世界の可能性を見つけたいという願いは芸術表現の原動力になっている。ますます複雑化するこの現代社会に、どこか軽やかで、ときにユーモラスな視点で反応する12人の多様なアーティストたちによる、好奇心と知的探求に満ちた展覧会。

参加作家は、石井佑果、大﨑土夢、岡野智史、海沼ちあき、ゴリラ・パーク、須田日菜子、土屋裕央、南谷理加、半田颯哉、丸山太郎、村松朋広、渡邊涼太。本展に展示される作品は本展の作品は、素朴さと皮肉、ナラティブとナンセンスの境界線上に位置しており、断片的でシュール、奇妙でユーモラス、不満を抱きつつも希望に満ちており、現代の複雑な感情を反映している。是非作家たちと一緒に、今の「幸福」ありようについて考えてもらいたい。

「Eudaemonia」
会期:8月24日(土)〜9月22日(日)
場所:Gallery Common(東京都渋谷区神宮前5-39-6)
時間:12:00〜19:00
休館日:月火

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