今週末に見たいアートイベントTOP5: 塩田千春が大阪で16年ぶりの大規模展、DIC川村記念美術館の休館前最後の企画展
関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!
1. Perfume Disco-Graphy 25年の軌跡と奇跡(TOKYO NODE GALLERY )
Rhizomatiksの新作も注目。デジタルで辿るPerfumeの25年
3人組ユニットPerfumeが重ねてきた 25年のステージの軌跡と、シンクロの奇跡を、身体表現をテーマに巡る体験型エキシビジョン。
本展の見どころは、Perfumeのステージ演出に携わる真鍋大度とクリエイティブ・コレクティブ、Rhizomatiksが作る新作インスタレーション。3600球のピンポン玉にレーザー光線を照射することで、Perfumeのポーズの代名詞ともなった“ Aポーズ ”の3Dシルエットを浮かび上がらせる。展示の最後には新曲が流れる架空のテレビ局の歌番組スタジオをテーマに、鑑賞者が操作する体験型作品も展示されている。展示を通して誰も見たことのない“これからのPerfume”を目撃することができるだろう。
Perfume Disco-Graphy 25年の軌跡と奇跡
会期:8月9日(金)〜10月14日(月祝)
場所:TOKYO NODE GALLERY A/B/C(東京都港区虎ノ門2-6-2)
時間:10:00~20:00(入場は30分前まで)
休館日:会期中無休
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2. 牛木匡憲 個展「Easy Telepathy II」(LURF GALLERY)
牛木匡憲のポジティブでカラフルな世界
アーティスト・牛木匡憲は80年代から90年代の日本のアニメや特撮、玩具などの表現を基に、ユーモアとファッション性を取り入れた独自のキャラクターを創造し、音楽ジャケットや広告など多岐にわたり活躍している。
本展では、多彩なアートワークの中からカラーシリーズを中心とした約13点を展示する。牛木は慎重、厳格で妥協を許さない制作工程を、できるだけポジティブにシンプルにイージーに鑑賞者に伝えるために、確信犯的に、お気楽に、楽観的に制作に臨んでいる。彼の生み出す「イージー」は、独特の色彩感覚と繊細なラインで描かれた普遍的な魅力から楽しむことができる
牛木匡憲 個展「Easy Telepathy II」
会期:9月4日(水)〜9月30日(月)
場所:LURF GALLERY / ルーフギャラリー(東京都渋谷区猿楽町28-13)
時間:11:00 〜19:00
休館日:不定休
3. 落合陽一 「昼夜の相代も神仏:鮨ヌル∴鰻ドラゴン」(BAG-Brillia Art Gallery-)
落合陽一が江戸×現代の先に見出すもの
メディアアーティスト落合陽一が江戸時代の宗教的空間を考察し、長年追求してきたデジタルネイチャー・計算機自然という哲学体系を基盤に時間と空間の循環的な性質を探求する展覧会。
本展では八重洲・日本橋・京橋地域の歴史を深く調査して生まれた二つの彫刻作品《一仏五鮎八鰻三角縁仏獣鏡》と、《鰻ドラゴン》を中心に、落合の計算機科学の探求から生まれた概念「ヌル」を体現した作品が展開される。江戸の豊かな文化的遺産と現代社会の複雑さが交錯する新しい芸術体験をすることができる。
落合陽一 「昼夜の相代も神仏:鮨ヌル∴鰻ドラゴン」
会期:9月7日(土)~ 10月27日(日)
場所:BAG-Brillia Art Gallery-(東京都中央区京橋3丁目6-18)
時間:11:00~19:00
休館日:月曜(祝日は翌平日)
4. 塩田千春 つながる私(アイ)(大阪中之島美術館)
塩田が見つめた「つながり」を地元・大阪で
ベルリンを拠点に国際的に活躍するアーティスト、塩田千春が出身地である大阪で16年ぶりに開催する大規模個展。塩田は「生と死」という人間の根源的な問題に向き合い、作品を通じて「生きることとは何か」、 「存在とは何か」を問い続けている。
本展ではドローイングや立体作品、映像など多様な手法を用いた作品が展示される。新作や国内未発表作品を含む大規模なインスタレーション作品が見どころだ。全世界的な感染症の蔓延を経験し、否応なしに意識した他者との「つながり」に、3つの「アイ」-「私/I」、「目/EYE」、「愛/ai」を通じてアプローチを試みる。
塩田千春 つながる私(アイ)
会期:9月14日(土)〜 12月1日(日)
場所:大阪中之島美術館(大阪府大阪市北区中之島4-3-1)
時間:10:00 – 17:00(入場は30分前まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)
5. 「西川勝人 静寂の響き」(DIC川村記念美術館)
国内初回顧展 約70点で見る静寂の空間
ドイツを拠点に活動する西川勝人の、国内美術館として初めてとなる回顧展。西川は光と闇、その間の漠とした陰影に心を配った作品を、40年以上にわたり手がけている。本展では、彫刻をはじめ、写真、絵画、素描、インスタレーションなど多様な技法を用いながらも、一定して静けさを保持し続ける作品約70点を展観する。
見どころは建築にも携わる西川本人による作品選定と会場構成だ。空間全体を取り込んだ展示空間は静寂が拡がり、ゆったりと身を置くことができる。日常から隔たった美術館という場で観想に耽る一人ひとりのための展覧会となっている。DIC川村記念美術館は2025年1月に休館が決まっており、最後の企画展となる。
「西川勝人 静寂の響き」
会期:9月14日(土)〜2025年1月26日(日)
場所:DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市坂戸631)
時間:9:30〜17:00(入館は30分前まで)
休館日:月曜(祝日は翌平日)、12月24日〜1月1日