芸術作品をAIの訓練に使用するな! トム・ヨークやカズオ・イシグロ含む芸術家が署名運動を開始
芸術作品を人工知能(AI)の訓練データとして使用しないことを求める書簡が10月22日に公開された。この書簡には、レディオヘッドのトム・ヨーク、カズオ・イシグロ、そしてリン・ゴールドスミスなど、さまざまな芸術分野から、現時点でおよそ1万9000人のアーティストが署名している。
10月22日、芸術作品を人工知能(AI)の訓練に用いることに反対する書簡が公開され、文化芸術の分野から様々なアーティストやクリエーターが署名した。
「生成AIを訓練するために創作物を無許可で使用することは、作品に携わる人々の生活を脅かす不当な重大な脅威であり、許されるべきではない」と記された書簡に名を連ねたのは、美術界からはジョエル・シャピロ、グレゴリー・エドワーズ、アモアコ・ボアフォ、ジョアンナ・プセット=ダート、ティシャン・スー、そして写真家で画家のリン・ゴールドスミスなど。
さらに、ABBAのビョルン・ウルヴァースやレディオヘッドのトム・ヨーク、ノーベル文学賞受賞作家のカズオ・イシグロ、そして俳優のジュリアン・ムーアなど、現時点までに1万9000人もの署名が集まっている。
また、American Photography Archives Groupの創設者兼エグゼクティブ・ディレクターのメアリー・エンゲル、The Association of PhotographersのCEOを務めるイザベル・ドラン、Professional Photographers of AmericaのCEOであるデビッド・トラスト、そしてDesign and Artists Copyright SocietyのCEOを務めるクリスチャン・ツィマーマンといった、企業や組織の上層部も名を連ねているほか、美大教授や美術史家などの美術関係者の名前もあった。
今年4月にも、200人以上のミュージシャン、作曲家、作詞家といったアーティストが、音楽におけるAIの責任ある利用を求めるArtists Rights Allianceによる公開書簡に署名しており、「私たちは、プロのアーティストの声や肖像を盗み、クリエイターの権利を侵害し、音楽のエコシステムを破壊するAIの略奪的な利用から守らなければならない」と訴えている。
また、昨年7月には全米作家協会がAIを開発する企業に宛てた公開書簡に、ジェニファー・イーガン、マイケル・ポーラン、ミン・ジン・リー、マーガレット・アトウッドなど、世界的に知られる1万5000人以上の作家が署名。生成AI技術の訓練に使用されるデータセットに、著作権のある作品を組み込む際には事前に著作者の同意を得て、誰の作品を使用したか引用し、公正な報酬を支払うよう強く求めた。(翻訳:編集部)
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