“画家”ジム・キャリーがNFTアートデビュー。スーパーレアに初出品
6月9日、人気俳優ジム・キャリーの初NFTアート作品が、スーパーレアに出品されるという発表があった。キャリーは近年、画家や政治漫画家としても活動しており、この4月には、テレビ番組で俳優引退を考えていると発言したことが報じられている。
このNFT作品《Sunshower(天気雨)》は、キャリーが制作した同じタイトルの絵画をもとにしたもの。映画プロデューサー、デビッド・ブシェルの協力で、オリジナルのナレーションも添えられる。6月10日に1ドルから開始されたオークションの収益は、非営利団体のフィーディング・アメリカに寄付される予定だ。同団体は、フードバンクのネットワークを全米各地に展開している。
「僕が抱くイマジネーションは色鮮やかで、自分のちょっと変わった部分やインスピレーションをみんなと共有したいという強烈な願望がある。それは恵まれたことでもある反面、持て余し気味でもある」と、キャリーはツイッターに投稿した。「天気雨と名付けたこのNFT作品は、気分をアゲてくれる。自分がそう感じたように、みんなもそう思ってくれるとうれしい...ウィィィィィィ!」
スーパーレアのウェブサイトには、次のような作品説明がある。
「天気雨はまるで神の贈り物、奇跡的な再生能力を秘めたある種の薬を与えられているようなものだ。周りの空気がダイヤモンドのように輝いている中では、懐疑的な気分は続かない。《Sunshower》では、アクリル絵の具をチューブからカンバスに直接塗りつけている。背景色を注ぎ、それを削ると、それぞれの色が最初にカンバスに塗られた時の跡が現れる。つまり、《Sunshower》の制作は、偶然とのスリリングなコラボレーションであり、長い坂を登ってクリフダイビングをするようなものだった。ナレーションの内容は、我われが共有する光と、我われみんなに起こる静かで美しい瞬間を称えるものだ」
ジム・キャリーのNFT作品《Sunshower》の出品画面 画像引用元:https://superrare.com/artwork-v2/sunshower-35216
キャリーは声明でこう述べている。「NFTが広がっていった頃、ちょうど簡単なアニメーションで自分の絵に命を吹き込む試みを始めたところだった。自分には、新しい創造の場はいくらあっても足りない」
今月初め、キャリーはスーパーレアで初めてNFTを購入したことを明らかにしている。その作品は、写真家のライアン・クープマンズとデジタルアーティストのアリス・ウェクセルによる《-The Wild Within-‘Devotion’(廃墟の中の自然-祈り)だ。
トランプ大統領の任期中、キャリーは定期的に政治漫画をツイッターに投稿していた。その中から100点以上の作品が、2018年にロサンゼルスのマッカローネ・ギャラリーで 「IndigNation(憤り)」と題して展示された。続く19年には、モントリオールのPHIセンターで「This Light Never Goes Out(光は決して消えない)」というタイトルで展覧会が行われている。21年にキャリーは、当分このプロジェクトからは離れると発表した。
2011年に絵を描き始めたキャリーは、その動機を「傷ついた心を癒すため」としている。彼の作品と制作の様子は、17年の短編ドキュメンタリー映画「I Needed Color(色が必要だった)」で見ることができる。
彼はドキュメンタリーの中でこう語っている。「自らの内面にある理想を形にしようとする時、人はアーティストになるんだと思う。自分の感情や必要としているもの、あるいは観衆が求めていることに触発されて、物理的な存在としての作品を生み出すんだ」(翻訳:石井佳子)
※本記事は、米国版ARTnewsに2022年6月10日に掲載されました。元記事はこちら。
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