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今週末に見たいアートイベントTOP5: 参加歓迎!荒川ナッシュ医とアートを楽しむ、渡辺志桜里の代表作から未来への手掛かりを考える

関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!

アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界(府中市美術館)より、アルフォンス・ミュシャ《クオ・ヴァディス》 キャンバス、油彩 堺 アルフォンス・ミュシャ館(大阪府堺市)

1. アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界(府中市美術館)

《モンテカルロ》 紙、リトグラフ サントリーポスターコレクション(大阪中之島美術館寄託)

特別公開の油彩も必見。様々な角度から創作者ミュシャを探る

19世紀末パリで名を馳せたアール・ヌーヴォーの旗手、アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)。本展では、《黄道十二宮》、《ダンス》など、「ミュシャ」として皆に最も知られているポスターの数々を紹介。1つのポスターを制作するため重ねたデッサンと合わせて展示し、試行錯誤の過程と造形の魅力を解き明かす。

また、世紀末のヨーロッパで流行した芸術運動「象徴主義」の作家としての一面にもスポットを当てる。神秘的な油彩画や版画作品を挙げながら、ミュシャがこの思想をどのように創作に取り込んでいったのかを探る。そのほか、ミュシャの実息との深い信頼関係によって実業家土居君雄が築いたドイ・コレクションから大阪堺市に寄贈された、大型の油彩画《ハーモニー》、《クオ・ヴァディス》も展示。同作は貸し出されることが珍しく、この機会に是非ともみておきたい。

アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界
会期:9月21日(土)〜12月1日(日)
場所:府中市美術館(東京都府中市浅間町1丁目3 都立府中の森公園内)
時間: 10:00 〜 17:00(入場は30分前まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)

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2. 未来都市シブヤ_エフェメラを誘発する装置(GYRE GALLERY)

展示風景

「渋谷」という都市空間をテーマに6作家が集結

「渋谷」という都市空間は世界から注目を集め、未来都市のメタファー・シンボルとして位置付けられている。飯田高誉の企画のもと開催される本展は、アーティスト、デザイナー、写真家などのクリエーターの斬新なアイデアの下、「SHIBUYA」がグローバル化した世界における未来の都市空間の在り方を浮かび上がらせ、XYZさらにはα世代を貫いてアートの力でジェネレーションをシャッフルさせる。

写真家の石川直樹は、コロナ禍で人々がいなくなりネズミだけが行き交う渋谷の街に足を運び、その光景を撮り続けたシリーズを展示。風間サチコは東日本大震災で感じた言論統制などの閉塞感を木版画に表現した大作《Nonhuman crossing》(2013)を出品した。ほか出品作家は操上和美、山口はるみ、畠山直哉友沢こたお

未来都市シブヤ_エフェメラを誘発する装置
会期:10月17日(木)〜11月29日(金)
場所:GYRE GALLERY(東京都渋谷区神宮前5-10-1GYRE 3F)
時間: 11:00 〜 20:00
休館日:無休


3. 川島 小鳥  臼田 あさ美 「ソウルメイト」(GALLERY MoMo Ryogoku)

©︎Kotori Kawashima, Courtesy of GALLERY MoMo

川島小鳥がソウルの空の下で捉えた俳優・臼田あさ美の素顔

写真家・川島小鳥は、初期から人物とその周辺にある風景を撮影し続け高い評価を得ている。川島の写真は、被写体の持つ物語のようなものを引き出す。自由奔放に振る舞う1人の女の子を1年に渡って撮った『未来ちゃん』(2011)は、見る者に笑いと癒しを与える代表作だ。

本展は、川島が2023年12月、2024年1月と3月の3 度にわたって、俳優の臼田あさ美と韓国・ソウルを旅して撮影した写真集『ソウルメイト』を基に構成される。川島は冬の澄んだ空気の中で、その時に臼田が抱えていた不安や期待を柔らかく 映し出す。臼田の内面が垣間見える表情から、彼女の存在がより身近に感じられると同時に、川島が捉えたソウルの街も、それに共鳴するかのように情緒的に映し出される。六本木のGALLERY MoMo Projectsでは11 月23日まで、『未来ちゃん』の新装版刊行に合わせた展覧会も開催中。

川島 小鳥  臼田 あさ美 「ソウルメイト」
会期:10月26日(土)〜11月24日(日)
場所:GALLERY MoMo Ryogoku(東京都墨田区亀沢1-7-15)
時間: 11:00 〜 19:00
休館日:月火


4. 「荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ」(国立新美術館)

荒川医《メガどうぞご自由にお描きください》2021年、テート・モダン、ロンドン Photo: Rikard Österlund Courtesy of the artist and Tate Modern, London

荒川ナッシュ医が仕掛けるアートの楽しみ方

アメリカ在住のアーティスト、荒川ナッシュ医のアジア地域の美術館で初となる個展。荒川ナッシュはコラボレーションをアート活動の基本とし、2000年代から国際展や美術館でパフォーマンス・アートを発表してきた。本展では、彼に協力する多数の画家による絵画が2000平方メートルの会場内に、9つのセクションに分かれて「登場」する。そのほか、誰もが美術館の床に絵を描ける作品や「短くも親密な」展覧会ツアーも企画している。

また、会期中はアンリ・マティス with 松任谷由実 & 松任谷正隆、オスカー・ムリーリョ with 龔楊飄飄、テリー・ライリー、マイルス・デイヴィス、河原温といったアーティストとパフォーマンスを行う。超有名人や物故作家もラインナップに加わっており、一体どのような内容が繰り広げられるのだろうか。気になる人は展覧会を訪れてみてほしい。

「荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ」
会期:10月30日(木)〜12月16日(月)
場所:国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)
時間: 11:00 〜 18:00(金土は20:00まで、入場は30分前まで)
休館日:火曜


5. 渡辺志桜里 「宿/Syuku」(資生堂ギャラリー)

《Sans room》2017~ インスタレーション バクテリア、ブルーギル、水、野菜、 チューブ、ほか

「宿」をキーワードに未来への手掛かりを探る

渡辺志桜里は、外来種や絶滅種といった人間と自然との間に生じる対立や衝突をモチーフに創作活動しており、私たち人間同士に孕む課題を暗示する作品を多く手がけている。

本展では、水槽やプランターなどをホースで繋いで水やバクテリアを循環させ、自律した生態系を構築する代表作《Sans room》とともに、能の演目『翁』にインスピレーションを得て制作した新作能の映像インスタレーションなどを展示する。《翁》では人間に神が「宿」り、祈りを捧げ、再び人間に戻るという、人間・神・自然の循環的な関係や、日本列島に眠る周辺的な自然観が描かれる。自然と人間の関係によって日本の生態系が築かれてきたダイナミズムを長い時間軸で捉え、「宿」という観点から照射し、そこに孕む諸問題を浮かび上がらせると同時に、私たちが未来をどう生きるか、その手がかりを探る。

渡辺志桜里 「宿/Syuku」
会期:10月6日(水)〜12月26日(木)
場所:資生堂ギャラリー(東京都中央区銀座 8-8-3 東京銀座資生堂ビルB1F)
時間: 11:00 〜 19:00(日祝は18:00まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)

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