異例の展示。暗殺未遂後、拳を突き上げるトランプ大統領の肖像画がホワイトハウスに

ペンシルベニア州で起きたドナルド・トランプ暗殺未遂事件を描いた絵画がホワイトハウスのエントランスホールに飾れていることが明らかになった。通常であれば大統領の肖像画は任期が終了した後に飾られるが、現職の大統領の肖像画がホワイトハウス内に展示されるのは今回が初めてだという。

ホワイトハウスのグランド・ホワイエに展示されたトランプの肖像画。Photo: Couresy of the White House/X
ホワイトハウスのグランド・ホワイエに展示されたトランプの肖像画。Photo: Couresy of the White House/X

ペンシルベニア州で暗殺未遂事件に遭ったドナルド・トランプの姿を描いた肖像画が、ホワイトハウスのエントランスホールであるグランド・ホワイエに新たに飾られた。この肖像画には、シークレットサービスに抱えられながら拳を突き上げるトランプの姿が描かれており、背景には雲一つ無い青空に星条旗がはためいている。

肖像画の配置が変わることはよくあることだ。しかし、現職大統領の肖像画がホワイトハウス内に飾られたという前例はなく、通常であれば、大統領と大統領夫人の肖像画は、大統領の任期が終わった後に飾られるものだと、ある歴史家はニューヨーク・タイムズ紙に語った

大統領の肖像画の制作費は、非営利団体であるホワイトハウス歴史協会が1960年代から提供しており、それ以前は議会や大統領の友人、あるいは自らが肖像画の費用を負担していたという。

トランプの肖像画が展示される前には、アメリカ元大統領、バラク・オバマの肖像画が掛けられていた。アーティストのロバート・マッカーディが、彼の特徴である白い背景と写真のように精密な描写で描いたオバマの肖像画は、グランド・ホワイエからホワイトハウスのイーストルーム入口へと移動された。

オバマの肖像画の新たな設置場所は、ホワイトハウスの副報道官、ハリソン・フィールズが金曜日にSNSに投稿している。オバマの肖像画が掛けられる前には、ジョージ・W・ブッシュの肖像画が掛けられており、ブッシュの絵画は階段に移された。

トランプの肖像画が飾られている場所には通常、直近の大統領の肖像画が飾られることになっているが、1月に退任した前大統領のジョー・バイデンの肖像画はまだ制作されておらず、トランプの前回の政権時の公式肖像画も作られていない。

トランプは国内の芸術や建築の計画について非常に強いこだわりをもっており、政府の建物には古典的な建築様式を義務付ける大統領令を発令したほか、国の英雄の彫刻庭園に全米人文科学基金(NEH)の資金を再配分することを命じている。(翻訳:編集部)

from ARTnews

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