バンクシーが9カ月ぶりに新作を発表! 謎のメッセージを載せた灯台のグラフィティはどこにある?
昨夏の動物シリーズから9カ月、バンクシーの新作が登場した。漆喰の壁に描かれた灯台にはメッセージが重ねられているが、作品の所在地に関する手がかりは一切明かされていない。

動物を題材としたグラフィティを9日間連続で発表してから9カ月、バンクシーが新たな作品を発表した。
いつものようにInstagramを通じて発表された彼の最新作は、1基の灯台。漆喰の壁に黒い塗料を使って描かれた灯台からは白い光が放たれており、その上には「I WANT TO BE WHAT YOU SAW IN ME(私はあなたが思い描く私になりたい)」というメッセージが重ねて書かれている。
灯台は歩道の車止めを利用して、灯台の影が歩道の車止めと繋がるように描かれている。バンクシーは作品の画像だけを投稿し、作品の意味や場所に関する手がかりは一切明かしていない。投稿から10時間が経ったころには、60万以上の「いいね」が付いていた。
本作は、昨年12月に発表された聖母子のグラフィティに続く新作となる。それ以前には、昨夏に9日連続で発表された動物シリーズ「Beastly London」があった。このシリーズでは、板で覆われた窓からゾウが顔をのぞかせる作品、橋の溝を移動するサル、崩落寸前の縁に立つヤギなどが描かれた。日産マイクラに脚をかけたサイの作品も話題となり、「サイと車が交尾している」といった解釈もされたが、のちに何者かによって落書きされたため現在は撤去されている。
「Beastly London」シリーズでは、作品が発表されるごとにInstagramのコメント欄ではユーザーの推理合戦が展開され、国家の監視システムや、メディアの報道姿勢に対する批判を動物の絵に込めたのではないかといった声が上がっていた。特にロンドン金融街の警察監視所に描かれたピラニアの作品は、ダミアン・ハーストのホルマリン漬けサメ作品を巧みに模倣したものとして称賛され、2026年再オープン予定の新ロンドン博物館での常設展示が決まっている。(翻訳:編集部)
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