アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ2025は285ギャラリーが参加。中南米に注力、日本からは2軒のみ
アート・バーゼル・マイアミ・ビーチが2025年の出展者リストを発表した。今年は44カ国・地域から285ギャラリーが参加、初出展は2008年以来最多となった2024年よりも多い41軒。また、「アート・バーゼル・アワード」も初開催される。

アート・バーゼル・マイアミ・ビーチが2025年の出展者リストを発表した。今年は世界44の国と地域から285ギャラリーが参加する。会場は例年通りマイアミ・ビーチ・コンベンション・センターで、プレビューは12月3日と4日、本会期は12月5日から7日までを予定している。
同フェアの恒例として、世界4大メガギャラリーをなすガゴシアン(Gagosian)、ハウザー&ワース(Hauser & Wirth)、ペース・ギャラリー(Pace Gallery)、デイヴィッド・ツヴィルナー(David Zwirner)に加え、世界各国からトップクラスのブルーチップ・ギャラリーが多数参加する。
アメリカ国内の主な参加ギャラリーには、アクアヴェラ・ギャラリー(Acquavella Galleries)、ポーラ・クーパー・ギャラリー(Paula Cooper Gallery)、ジェフリー・ダイチ(Jeffrey Deitch)、グラッドストーン・ギャラリー(Gladstone Gallery)、マリアン・グッドマンギャラリー(Marian Goodman Gallery)、カルマ(Karma)、デイヴィッド・コルダンスキー(David Kordansky)、リッソンギャラリー(Lisson Gallery)、マシュー・マークス(Matthew Marks)、ムニュシン・ギャラリー(Mnuchin Gallery)、スペローネ・ウェストウォーター(Sperone Westwater)、そして創設75周年を迎えるティボー・ド・ナジ・ギャラリー(Tibor de Nagy)などが名を連ねている。
国外からは、ギャラリー・バトン(Gallery Baton)、クレヴクール(Crèvecoeur)、カルディ・ギャラリー(Cardi Gallery)、トーマス・デイン・ギャラリー(Thomas Dane Gallery)、マッシモ・デ・カルロ(Massimo de Carlo)、ギャラリー・ヒュンダイ(Gallery Hyundai)、アリソン・ジャックス(Alison Jacques)、メヌール(Mennour)、ヴィクトリア・ミロ(Victoria Miro)、タデウス・ロパック(Thaddaeus Ropac)、ホワイトキューブ(White Cube)など。
日本のギャラリーは、スカイ・ザ・バスハウス(Scai The Bathhouse)とナンヅカ(Nanzuka)の2軒のみで、いずれもギャラリーセクションに出展する。
一方、中南米およびカリブ地域からの参加が例年より増加。ア・ジェンチル・カリオカ(A Gentil Carioca)、ラケル・アルナウド(Raquel Arnaud)、ガガ(Gaga)、クリマンストゥ(Kurimanzutto)、メンデス・ウッド DM(Mendes Wood DM)、OMR(OMR)、ナラ・ローズラー(Nara Roesler)、ガレリア・スール(Galería Sur)といったギャラリーが出展を予定しており、その中には同フェア初参加となるギャラリーも含まれる。
また、今回は「Galleries」「Nova」「Positions」「Survey」の4つのセクションにわたり、41軒が初出展となる。これは2024年の初参加34軒を上回る数だ。
メインの「Galleries」では、エル・アパルタメント(El Apartamento)、ジョヒュン・ギャラリー(Johyun Gallery)、ニーナ・ジョンソン(Nina Johnson)、リチャード・ソルトーン・ギャラリー(Richard Saltoun Gallery)、セシル・ファクーリー・ギャラリー(Galerie Cécile Fakhoury)が初参加。
「Nova」では、キャンディス・マディー(Candice Madey)、レベッカ・カマチョ・プレゼンツ(Rebecca Camacho Presents)、カーボン 12(Carbon 12)がデビューを果たす。
「Positions」では、ロドス(Lodos)、マーゴ・サメル(Margot Samel)、エリン・クルーリー・ギャラリー(Erin Cluley Gallery)が初出展となり、「Survey」では、コー(kó)、パラレル・オアハカ(Parallel Oaxaca)、ザ・ピット(The Pit)、ヴォロシン・ギャラリー(Voloshyn Gallery)が新たに名を連ねる。
「Survey」では、キャサリン・クラーク・ギャラリー(Catharine Clark Gallery)が日系アメリカ人作家の寺岡政美にフィーチャーする。
さらに新たな大きな一歩として、現代アート界の卓越性を世界規模で称える初のアワード、「アート・バーゼル・アワード」がBOSSとのパートナーシップにより初開催される。2025年の受賞者は、12月4日の授賞式「アート・バーゼル・アワード オフィシャルナイト」で発表される予定だ。
アート・バーゼル・マイアミ・ビーチのディレクター、ブリジット・フィンは声明の中で、「今回のラインナップは、大胆かつ精緻で、まさにこの時代に即したもの」と胸を張り、次のように語っている。
「今年の出展者の質と層の厚さは、アート・バーゼル・マイアミ・ビーチがグローバルなアート・エコシステムの中心であることを再確認させるものであり、また、アメリカ大陸におけるアート制作の活力を反映しています。それは現代美術の実践、パトロネージュ、そして批評的対話に世界的な影響を及ぼしていることを示すと同時に、国際的に先進的なアーティストや視点をアメリカ市場に紹介する重要なゲートウェイとしての役割を果たしていることを裏付けています」
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