ギザのピラミッドに「第2の入口」が存在していた? 最新の非破壊検査で長年の謎解明に進展

エジプト・ギザの三大ピラミッドの1つ、約4500年前のさかのぼるメンカウラー王のピラミッドで、2つの空洞が見つかった。11月に報告された研究成果では、この空洞が隠れた入口の存在を裏付けるものだとされている。

メンカウラー王の彫像。両脇に立つのは女神のハトホルとバト。Photo: De Agostini/Getty Images

エジプトのカイロ大学とドイツのミュンヘン工科大学(TUM)は、非破壊検査によるピラミッド内部構造の研究を行う「スキャン・ピラミッド・プロジェクト」の一環として、ギザにあるメンカウラー王のピラミッドの調査を進めている。その共同チームが先月、新たな研究成果として、ピラミッドの東面で2つの空洞が発見されたことを明らかにした。これまで知られていなかった2つ目の入口の存在を示唆しているという。

エジプト古王国時代第4王朝のファラオ、メンカウラー王のピラミッドは、その治世中(紀元前2490年頃~紀元前2472年頃)に建造された。三大ピラミッドのうち最後に作られたもので、もとの高さは約65メートル(現在は約62メートル)と、他の2つのピラミッドの半分程度だ。これまでに見つかっているピラミッドの入口は北面にあり、1837年〜38年にイギリス軍人のハワード・ヴァイスが玄室の中から遺体の一部が残る石棺を発見したものの、大英博物館への移送途中で船が沈没するという悲運に見舞われている。

考古学研究者たちにとっての長年の謎は、ピラミッドの東側に磨き上げられた花崗岩が配置されていることだった。今回の発見に関する声明では、「驚くほど磨かれた石材の範囲は、高さ約4メートル、幅約6メートルにおよびます。これほど滑らかな石は、メンカウラー王のピラミッドで唯一の入口がある北側でしか見つかっていません」と述べられている。

東面を覆う磨かれた花崗岩のブロックと北面の入口周辺のブロックの類似性に注目し、第2の入口が存在する可能性に言及したのは、研究者のステイン・ファン・デン・ホーベンだった。カイロ大学とTUMのチームは2019年に発表されたこの仮説を検証するため、過去3年間にわたってピラミッドの東面における非破壊検査を実施している。

内部構造の調査には、電気比抵抗トモグラフィ(電流を流して発生する電位差から埋設物などの構造を把握)、地中レーダー探査(電磁波の反射を利用した測定)、超音波探査(超音波の反射を利用した構造測定)の3つの方法が用いられ、それぞれから得られたデータを組み合わせることで、東面の裏に近接した2つの空洞──1つは東面から約1.4メートル、もう1つは約1.13メートル奥──があることを確認した。

今回の結果は、2つ目の入口が存在する可能性を裏付けるものだ。しかし、非破壊検査の専門誌「NDT & E International」10月号に発表された論文で研究チームは、空洞に関するより多くのデータを集めるためにさらなる調査が必要だとしている。

また、ハーバード大学のエジプト学教授であるピーター・デア・マヌエリアンは、エジプト古王国時代のピラミッドの入口は、いくつかの例外を除き北面にあるのが通例だと指摘し、こう述べている。

「今後の調査によって、これらの空洞の意味がさらに明らかになることを期待しています。建造上の理由によるものか、第2の入口の一部なのか、あるいはまた別のものである可能性もあります」

なお、2015年から始まったスキャン・ピラミッド・プロジェクトでは、名古屋大学の研究チームが宇宙線(ミューオン)イメージングを活用し、2016年と17年にクフ王のピラミッドで新たな空間を発見している。

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