「ザ・バットマン」主演俳優ロバート・パティンソン、サザビーズの現代アートオークションをキュレーション
英国の人気俳優、ロバート・パティンソンが、今月末にニューヨークのサザビーズで行われる現代アートオークションにキュレーターとして参加する。競売にかけられる作品の中には、特に彼の心に響いたという6点の作品が含まれるという。出品作品は、9月30日のオークションに先立ち、9月23日から29日まで下見のために展示される。
ロバート・パティンソンは、映画「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(2005)や「トワイライト」シリーズ(2008-12)、最新作の「THE BATMAN-ザ・バットマン-」(2022)などで人気を博したスター俳優。2010年にタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」、11年にはフォーブス誌の「セレブリティ100」に選ばれている。
今回、オークション出品作をキュレーションするあたり、パティンソンは、声明でこう述べている。「僕が求めているのは、見る者に語りかけてくるような、単にそこにあるのではなく、何かしら生命を感じさせる作品だ。そうした作品は、鑑賞者と根元的なレベルでコミュニケートできるものだと思う」
そんなパティンソンが特にピックアップした6点の中には、ウィレム・デ・クーニングの絵画《Untitled(無題)》(1964)、リチャード・セラの絵画《Rotation #9(ローテーション #9)》(2011)、ジュリー・メレツのドローイング《Untitled(無題)》(2005)などがある。
また、トーマス・オウセアゴの彫刻作品《Portrait(ポートレート)》(2009)は、「背後に迫りくる存在」のような迫力があると称賛。ジェニーブ・フィギスの《Kissing by the Window(窓際でキス)》(2015)については、「クリーミーで官能的」なのと同時に、微妙に「毒がある」と語っている。
しかし、価格設定はどれも新しい落札記録樹立にはならなそうなレベルだ。たとえば、デ・クーニング作品の予想額上限は250万ドルと、彼の標準価格より6500万ドル以上低く見積もられている。
ジェニーブ・フィギス《Kissing by the Window(窓際でキス)》(2015)
パティンソンは、アートを収集しようとする人たちにこうアドバイスしている。「何があろうと、好きなものだけを手に入れること。一生手元に置いておけるようなものを選ぶのが、最も良い買い方だ」
これまでにもサザビーズのコンテンポラリー・キュレート・オークションでは、音楽プロデューサーのスウィズ・ビーツ(ミュージシャンの妻、アリシア・キーズとともにARTnewsのトップコレクター200人にランクインしている)、テレビ司会者のオプラ・ウィンフリー、シンガーソングライターのエリー・ゴールディングなどの著名人がキュレーションを行なっている。(翻訳:平林まき)
※本記事は、米国版ARTnewsに2022年9月7日に掲載されました。元記事はこちら。