ARTnewsJAPAN

カニエ・ウェスト、スペースレンタル代を踏み倒してギャラリーから訴えられる

人種差別的な発言を繰り返し、アディダスやバレンシアガなどのビッグブランドから契約を解除されたカニエ・ウェスト。今度はスタジオスペースのレンタル料未払いで、フロリダのギャラリーから提訴された。

バスケットボール観戦中のカニエ・ウェスト(2022年3月) Getty Images

現在はYe(イェ)に改名しているカニエ・ウェストが借りていたのは、マイアミ現代美術館の近くにあるギャラリー兼ショールーム「サーフェス・エリア」が保有するスペース。しかし、「レンタルスペースをレコーディングスタジオとして予約し、カスタマイズして使用した」費用、14万5813ドル(約2100万円)が未払いであるとして、サーフェス・エリアは10月下旬、フロリダ州南部地区連邦地裁にカニエに対する訴状を提出したという。

サーフェス・エリア側の言い分によると、イェとそのチームは1月5日に、ギャラリーの所有するスペースを1日5000ドル、そして2万ドルの荷物運搬費用と椅子のレンタル料で月末までの約1カ月間契約することに同意したという。

訴状では、費用は全て、イェのマネージャーであるスティーブン・ビクターとゼネラルマネージャーのローレンス・チャンドラーが承認していたとされる。

また、サーフェス・エリアはレンタル費用が合意されたことを受け、音楽録音機器を置くスペースを確保するために総額5000万ドル相当の美術品をギャラリーから搬出。録音用機材は6日に持ち込まれ、ラッパーの88-Keys(エイティエイトキーズ)、パーディソン・フォンテーヌなどが録音を開始したという。

裁判資料によると、イェたちは1月末に退去したが、支払いはされていないようだ。訴状には、「被告は原告に対していかなる金額も支払っていない」と書かれている。

この訴訟は、イェに関する数々のスキャンダルと論争の中で起きた。テレビやポッドキャストのインタビュー、ソーシャルメディアへの投稿など、イェはあちこちで反ユダヤ的な発言を連発。そのため、アディダス、ギャップ、クリエイティブ・アーティスト・エージェンシーなど、さまざまなビジネスパートナーや著名人が、ミュージシャンとして、そしてファッションデザイナーとしても一世を風靡したイェとの絶縁を宣言している。(翻訳:石井佳子)

 *US版ARTnewsの元記事はこちら

あわせて読みたい