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ピカソ作品の大盗難事件に関連し、パリのギャラリーオーナー夫妻に実刑判決

英『アートニュースペーパー』紙によると、盗難されたピカソの版画やデッサン数十点を販売したとして、パリのBelle et Belleギャラリーのオーナーであるアンヌ&ヘルベルト・ペッフェル夫妻に実刑判決が下された。

カンヌの自宅にて、作品の前でポーズをとるパブロ・ピカソ。Photo: GEORGE STROUD/GETTY IMAGES

アンヌは2年、ヘルベルトには1年の執行猶予が付いたが、夫妻は5年間にわたり美術品の取り扱いが禁止されることとなり、Belle et Belleギャラリーも閉館する。

二人は、ピカソの娘でギャラリストのエーメ・マーグとジャクリーヌ・ピカソから盗まれた美術品を購入し、その後隠匿したとして、1118日に有罪が確定している。ペッフェル夫妻は裁判の中で、いかなる不正行為も否定していたが、裁判所は夫妻が売却、隠匿した絵が便利屋に盗まれた作品の一部であることを「よく認識していた」と判断した。

10年もの歳月をかけて行われた捜査によって、これら作品はピカソとマーグに雇われていた便利屋フレディことフレデリック・ミュンヘンバッハによって盗まれたことが明らかになっている。ミュンヘンバッハは二人の家の鍵を用いて、ペッフェル夫妻が購入した数十点以外にも、少なくとも553点にもなるピカソの素描やオリジナルプリント、1380万ドル(約19億円)相当以上を2006年から2008年にかけて盗んでいる。姉妹はパリのモントゥーリ公園近くに隣同士で居住していた。

2011年にミュンヘンバッハはこの窃盗事件に関連して4カ月間勾留され、犯行を自白したが、出訴期限法により最終的に釈放されている。

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