修復中のダ・ヴィンチ壁画、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック開催を祝い「異例」の公開へ
- TEXT BY ARTNEWS JAPAN
2月6日から22日まで開催されるミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックに合わせ、ミラノのスフォルツァ城では、現在修復が進められているレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452–1519)の壁画と天井画を至近距離から鑑賞できる「異例」の特別公開が実施される。

ミラノのスフォルツァ城では、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックの開催時期に合わせた2月7日から3月14日まで、現在修復中のレオナルド・ダ・ヴィンチとその工房が手がけた壁画と天井画を特別公開する。アートネットが伝えた。
レオナルド・ダ・ヴィンチは15世紀後半、当時の城主でミラノ公であったルドヴィーコ・スフォルツァに仕え、1498年頃に城内の「サラ・デッレ・アッセ(アッセの間)」の装飾を担当した。レオナルドと弟子たちは、壁面とドーム状の天井一面に、16本の木が作るペルゴラに絡み合う蔓草の意匠や、根や岩を描いた装飾を施した。しかし、1499年にミラノがフランス軍に占領されるとスフォルツァ公とともに街を去ることとなり、制作は中断された。

その後、数世紀にわたりスフォルツァ城は軍事施設として使用され、「アッセの間」の壁面は漆喰で塗り重ねられた。そうして絵画の存在は忘れ去られてしまったが、19世紀後半になって原画の痕跡が発見され、20世紀を通じた度重なる修復によって壁画全体の構成が明らかになった。非常に脆弱な状態にあるテンペラ技法による絵具層を含め、現在も一般非公開のもとで修復作業が続けられている。画面の洗浄には、脱塩水を含ませた日本製の和紙で壁内部に浸透した塩分を取り除く作業も行われている。
今回の特別公開は、オリンピック開催時期に合わせて実施されるガイドツアーの一環として行われる。「アッセの間」に組まれた高さ約6メートルの修復用足場に登り、わずか数センチの距離から壁画を鑑賞できるという異例の内容だ。公開終了後は、修復完了まで再び18カ月間閉鎖される予定であり、修復の途中段階を間近に体験できる貴重な機会となる。
さらに1月21日からは、同城の絵画館(ピナコテーカ)第21室において、「レオナルデスキ」と呼ばれる、レオナルドの工房で学んだ、あるいは彼の影響を強く受けた芸術家たちに焦点を当てた展覧会も開催される。

2. シモーネ・マルティーニ《受胎告知》(1333年)Photo: Uffizi Gallery
上部に華麗な彫刻が施され、金箔とテンペラで描かれたこの大作は、ルネサンスへの移行期における傑作の1つ。【作品の詳細はこちら】

3. パオロ・ウッチェッロ《サン・ロマーノの戦い:ニッコロ・マウルジ・ダ・トレンティーノは、ベルナルディーノ・デラ・カルダを倒した》(1435-40年頃)Photo: Uffizi Gallery
1432年のサン・ロマーノ(ピサ)の戦いを描いた3連作の板絵の1枚。【作品の詳細はこちら】

4. ピエロ・デッラ・フランチェスカ《ウルビーノ公夫妻の肖像》(1473-75年)Photo: Uffizi Gallery
ルネサンス期の最も有名な肖像画の1つであり、傭兵隊長として活躍したフェデリーコ・ダ・モンテフェルトロ公爵と、出産後に26歳で命を落としたその妻バッティスタ・スフォルツァを描いた作品。【作品の詳細はこちら】

5. ピエロ・デル・ポッライオーロ、サンドロ・ボッティチェリ《7つの美徳》(1469-72年)Photo: Uffizi Gallery
仮想の最高裁判所のようにも見える威風堂々たるこの連作絵画には、7つの美徳を擬人化した女性像が描かれている。【作品の詳細はこちら】

6. サンドロ・ボッティチェリ《ヴィーナスの誕生》(1485年)Photo: Uffizi Gallery
さまざまな雑貨に、この作品が印刷されているのを見たことがある人は多いに違いない。彼女はリーボックのスニーカーの売り上げに貢献し、著名アーティストのインスピレーションの源泉になってきた。【作品の詳細はこちら】

7. イノシシ(紀元前2-1世紀)Photo: Uffizi Gallery
このリアルなイノシシは、無名のローマ人彫刻家による大理石の彫刻で、ヘレニズム時代のブロンズ像を参考にしたものと考えられている。【作品の詳細はこちら】

9. ピエロ・ディ・コジモ《アンドロメダを救うペルセウス》(1510-15年)Photo: Uffizi Gallery
翼のあるサンダルを履いたペルセウスが空を飛び、尻尾の先がくるくる巻いた巨大な海の怪獣がアンドロメダを襲おうとする場面を描いている。【作品の詳細はこちら】

10. レオナルド・ダ・ヴィンチ《東方三博士の礼拝》(1482年)Photo: Uffizi Gallery
1481年にダ・ヴィンチは、フィレンツェ近郊のサン・ドナート教会に飾るための絵を、アウグスチノ会の修道士たちから依頼された。【作品の詳細はこちら】

13. ヘルマプロディートス(紀元2世紀)Photo: Uffizi Gallery
元前2世紀の古代ギリシャのブロンズ像をもとにしてローマ時代に作られたこの作品は、ギリシャのパロス島で採掘された大理石から彫られている。【作品の詳細はこちら】

14. エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン《自画像》(1790年)Photo: Uffizi Gallery
画家ルイ・ヴィジェの娘で、有名な画商ジャン=バティスト=ピエール・ルブランの妻だったエリザベートは、肖像画で成功を収めた作家だ。【作品の詳細はこちら】

15. パルミジャニーノ《長い首の聖母》(1534-40年)Photo: Uffizi Gallery
聖母の長い首と指、そして乳首とへそが見える薄布の衣服が描かれたこの絵には、典型的な聖母子像にはない官能性がある。【作品の詳細はこちら】

16. ポントルモ《エマオの晩餐》(1525年)Photo: Uffizi Gallery
ポントルモの《エマオの晩餐》は、復活したイエスが旅人に扮し、2人の弟子とともに食卓にいる様子を描いている。【作品の詳細はこちら】

17. ロッソ・フィオレンティーノ《エテロの娘たちを守るモーセ》(1523-27年)Photo: Uffizi Gallery
筋骨隆々の男たちが、カンバスから飛び出そうな勢いで前面に押し出されている混乱したシーンは、聖書の物語の一場面で、そこに登場するモーセが活劇のヒーローのように描かれている。【作品の詳細はこちら】

21. アルテミジア・ジェンティレスキ《ホロフェルネスの首を斬るユディト》(1620年頃)Photo: Uffizi Gallery
この有名な物語は多くの画家が題材として取り上げているが、その中でも最も真に迫ったものの1つがこの作品だ。【作品の詳細はこちら】

22. ユストゥス・スステルマンス《Madonna “Domenica delle Cascine,” la Cecca di Pratolino, e Pietro Moro》(1634年)Photo: Uffizi Gallery
人物同士がやり取りをしている瞬間をカメラで捉えたかのように描写されている。【作品の詳細はこちら】






