チャーチル像に落書き、親パレスチナ活動家を逮捕。「断じて許されない行為」と英政府は非難

パーラメント・スクエアにあるウィンストン・チャーチル像に赤いスプレーで落書きをした親パレスチナ活動家が2月27日に逮捕された。像には「虐殺を止めろ」といった文言が記されていた。

落書きされたチャーチル像。2月27日未明に撮影。Photo: Guy Smallman/Getty Images
落書きされたチャーチル像。2月27日未明に撮影。Photo: Guy Smallman/Getty Images

ロンドンのパーラメント・スクエアにあるウィンストン・チャーチル像に赤いスプレーで落書きをしたとして、親パレスチナ活動家カスパル・サン・ジョルジョが、差別的動機に基づく器物損壊罪の容疑で逮捕された。チャーチルの像には「Stop the Genocide(虐殺を止めろ)」「Zionist war criminal(シオニストの戦争犯罪人)」「Globalise the Intifada(インティファーダ [*1]を世界に)」などの文言が記されていた。オランダの抗議団体「Free the Filton 24 NL」に所属するサン・ジョルジョは、Instagramで発表した声明で次のように述べている

*1 アラビア語で「蜂起」「反乱」を意味し、特にパレスチナ人によるイスラエル支配への民衆蜂起を指す用語。

「パレスチナで起きている痛ましい人権侵害に人々の目を向けるため、私はチャーチル像に抗議文を書いた。イギリス政府はパレスチナ国民の声に耳を貸さないイスラエルに加担している。政府は国際司法裁判所で責任を問われるべきであり、その責任を追及するためにここに来た」

ロンドン警視庁によれば、サン・ジョルジョは2月27日未明に落書きをした疑いがあり、目撃者の通報から数分後に逮捕されたという。その後、サン・ジョルジョは別の親パレスチナ団体「Palestine Action」への支援容疑でも追加逮捕された。

落書きされたチャーチル像を清掃する作業員。Photo: Vuk Valcic/SOPA Images/LightRocket via Getty Images
落書きされたチャーチル像を清掃する作業員。Photo: Vuk Valcic/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

サン・ジョルジョはウェストミンスター治安判事裁判所に出廷したが、オランダ語通訳を手配するため審理は3月2日に延期された。なお、像に書かれた「Globalise the Intifada」というフレーズをめぐっては、ロンドン警視庁とグレーター・マンチェスター警察が昨年12月、公の場での使用に対して摘発方針を示している。警察は、同年10月にマンチェスターのユダヤ教会堂、ヒートン・パーク・シナゴーグで発生したテロ事件などを踏まえ、取り締まりを強化する姿勢を示している。内務省も今回の落書きについて、国民の誇りであるチャーチル像を汚す行為は「断じて許されない」と非難した。

チャーチルの像が抗議活動の標的となるのは今回が初めてではない。2020年6月、ジョージ・フロイドの死をきっかけに世界に広がったブラック・ライブズ・マター運動の抗議デモでは、「racist(人種差別主義者)」という落書きがされている。また、同年10月には環境活動団体「エクスティンクション・リベリオン」の活動家が台座に落書きをし、1500ポンド(現在の為替で約31万円)超の罰金を命じられている。

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