ポセイドンの神殿か。古代ギリシャの歴史家の記述通り、建造物跡を発見
ギリシャの古代都市サミコン近くの遺跡で、ポセイドンの神殿と思われる建造物跡が発見されたと、科学メディアのPhysが報じている。
ギリシャの古代都市サミコン近くの遺跡で発見されたポセイドン神殿と見られる建造物跡(2022年撮影)。Courtesy Birgitta Eder / Athens Branch of the Austrian Archaeological Institute
建造物跡が見つかったのは、2000年以上前に古代ギリシャの歴史家ストラボンが、神殿の様子を書き残した場所に当たる。
この地域はペロポネソス半島の西海岸沿いにあり、先史時代以来、何度も津波に襲われたことが知られている。ポセイドンは海や嵐を司るギリシャ神話の神であることが、海辺に位置するこの神殿に祭られていたという仮説の理由とされる。
ポセイドンは、ギリシャ神話の最高神で天空の神でもあるゼウス、冥界の神ハデスとともに、ギリシャ神話で最も重要な神だ。
構造物跡の存在は2021年に確認されたものの、考古学者がポセイドンの神殿である可能性を考え始めたのは数カ月前のことだったという。
現在、オーストリア考古学研究所が、ヨハネス・グーテンベルク大学(ドイツ)、キール大学(イギリス)、イリアの遺跡管轄庁(ギリシャ)との共同調査行い、今後数年間で、発見された構造物の歴史を解き明かすためのさらなる分析が計画されている。(翻訳:石井佳子)
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