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  • 2023.01.27

今週末に見たいアートイベントTOP5: 東京都美術館「エゴン・シーレ展 」、SCAI PIRAMIDE「赤瀬川原平写真展」ほか

関東地方を中心に、全国津々浦々の美術館・ギャラリーで今週末に開催される展覧会から、特におすすめのものをピックアップしてお届けする。

「elective affinities」展 Part I(アニエスベー ギャラリー ブティック)より、山元彩香 《Untitled #305, Mzimba, Malawi》(2019)C-print  © Ayaka Yamamoto / Courtesy of amanaTIGP

1. ヨーガン・アクセルバル、井田幸昌 LUNAR ECLIPSE(MAKI Gallery/天王洲)

展示風景

国際的アーティスト2名の大規模展。初の合作も

スウェーデン出身で、現在は東京を拠点に活動する写真家のヨーガン・アクセルバルと、昨年、アジア人で初めてスペイン・ピカソ生誕地ミュージアムで個展を開催し、成功を収めた現代美術家の井田幸昌。国内のみならず、世界に活動の場を広げる2人による展覧会。

同ギャラリー天王洲のIとIIの両スペースで展開される本展では、物像の細部を不明瞭化することで対象のアイデンティティを考察するアクセルバルのポートレートと、「一期一会」の瞬間を捉えることで有為転変の理を表現しつつ、変わらず存在するものも同時に描き出す井田の油彩、彫刻を展示する。また、今展のために制作したコラボレーション作品も見どころ。

ヨーガン・アクセルバル、井田幸昌 LUNAR ECLIPSE
会期:2022年12月10日(土)~2023年2月8日(水)
会場:MAKI Gallery/天王洲(東京都品川区東品川1-32-8)
時間:11:30 ~ 19:00 


2. アール・ブリュット ゼン&ナウ Vol.2 Echo こだま返る風景(東京都渋谷公園通りギャラリー)

辻勇二《心でのぞいた僕の街》(2019)作家蔵 Photo: 障害福祉サービス事業所 明日香

6名のアール・ブリュット作家が創り出す、多彩な「街」

アール・ブリュットの分野で長く活躍を続ける作家と、近年発表の場を広げつつある作家を、様々な角度から紹介するシリーズの2 回目。

架空の街なみを黒い水性ペンのみで緻密 に描く辻勇二、カラーペンを使い、モザイク、グリッドなど様々なフォルムを駆使して細長い建物群を反復して描く佐藤慶吾など、 建物や街の風景を、独自のまなざしで再構築する6名の作品が並ぶ。ほか出品作家は磯野貴之、古久保憲満、後藤拓也、横溝さやか。

アール・ブリュット ゼン&ナウ Vol.2 Echo こだま返る風景
会期:1月21日(土)~4月9日(日)
会場:東京都渋谷公園通りギャラリー(東京都渋谷区神南 1-19-8)
時間:11:00 ~ 19:00


3. 赤瀬川原平写真展「日常に散らばった芸術の微粒子」Selected by 伊藤存・風間サチコ・鈴木康広・中村裕太・蓮沼執太・毛利悠子(SCAI PIRAMIDE)

©️Genpei AkasegawaCourtesy of SCAI THE BATHHOUSE

赤瀬川原平の創作を、現代のアーティスト6名が追体験

戦後日本の前衛芸術を牽引し、文筆家としても知られた赤瀬川原平(1937-2014)。赤瀬川が生前撮り溜めた未発表の写真は4万点近くに及び、今も自宅に眠っている。赤瀬川の活動をリアルタイムに知り、影響を受けた最後の世代である70年代・80年代生まれの6名のアーティストが、それらの写真から選んだ約120点を紹介する。

選者は、伊藤存・風間サチコ・鈴木康広・中村裕太・蓮沼執太・毛利悠子。それぞれ赤瀬川から受けた影響や、写真を選んだ理由を添えて、アーティストが赤瀬川の創作を追体験する様子を鑑賞者が感じ取れる展示になっている。日~水曜・祝日休廊。

赤瀬川原平写真展「日常に散らばった芸術の微粒子」
会期:1月26日(木)~3月25日(土)
会場:SCAI PIRAMIDE(東京都港区六本木6-6-9-3F)
時間:12:00 ~ 18:00 


4. レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才(東京都美術館)

エゴン・シーレ 《ほおずきの実のある自画像》(1912)油彩、グワッシュ/板 レオポルド美術館蔵 Leopold Museum, Vienna

伝説の画家、30年ぶりの回顧展。油彩など50点で活動の軌跡を追う

世紀末を経て、多様な芸術が咲き乱れたウィーンで活躍した画家、エゴン・シーレ(1890-1918)。ウィーン分離派をはじめ、象徴派、表現主義に影響を受けながら独自の作風を追求し、美術史に名を刻むも28歳の若さでこの世を去った。

日本では30年ぶりの回顧展となる今展は、ウィーン「レオポルド美術館」のコレクションを中心に、代表作《ほおずきの実のある自画像》をはじめとする油彩やドローイングなど50点が集結。そのほか、シーレと同時代を生きたクリムトやココシュカ、ゲルストルなどの作品も120点展示する。予約制。

レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才
会期:1月26日(木)~4月9日(日)
会場:東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)
時間:9:30 ~ 17:30 (金曜は~20:00、入場は30分前まで)


5. 「elective affinities」展 Part I(アニエスベー ギャラリー ブティック)

山元彩香 《Untitled #305, Mzimba, Malawi》(2019)C-print  © Ayaka Yamamoto / Courtesy of amanaTIGP

世代やジャンルが異なる40名が、心惹かれるアーティストについて語る

アニエスベーの創設者アニエス・トゥルブレは、互いに異なる同士でも魅力を見つけて関わり合い、影響を与えあう「elective affinities=親和力」を大切にしてきた。その言葉を冠する同展は、世代もジャンルも異なる40 名(PartⅠ、7月開催のPartⅡ合計数)のアーティストが、各々惹かれたアーティストを紹介していく。

自身の作品についてではなく、関係を紡いだ相手(あるいはその作品)について語ることで、現在の彼女、彼らの関心がどこにあり、親和力の指標がどこにあるかを伺い知ることができる。PartⅠの参加アーティストと推薦者は次の通り。上田佳奈、大矢真梨子、落合陽一、串野真也、小林健太、清水将吾、志村信裕、南條史生、西山裕子、花代、HAL、日比野克彦、藤江龍之介、山元彩香、吉添裕人、靈樹、澪、 若佐慎一、渡辺俊介 (五十音順)。

「elective affinities」展 Part I
会期:1月28日(土)~3月5日(日)
会場:アニエスベー ギャラリー ブティック(東京都港区南青山 5-7-25-2F)
時間:12:00 ~ 20:00 

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