2024年ヴェネチア・ビエンナーレのオーストラリア館、代表は史上2人目の先住民アーティストに決定
2024年4月に開幕するヴェネチア・ビエンナーレのオーストラリア館の代表アーティストとして、先住民族アボリジニのカミラロイ族とビガンブル族にルーツを持ち、クイーンズランド州レッドランズを拠点に活動するアーチー・ムーアが選ばれた。
ムーアは、2017年のトレーシー・モファットに続き、オーストラリア館の代表アーティストを務める史上2人目のアボリジニのアーティストとなる。ムーアのパビリオンのキュレーションは、ブリスベンのクイーンズランド・アート・ギャラリー/ギャラリー・オブ・モダン・アートの現代オーストラリア美術のキュレーターであるエリー・バトローズが担当する。
ムーアは、アボリジニの歴史やそれに関する誤った情報を取り上げ、自分のアイデンティティの側面を示す表現に取り組んでいる。代表作品は、2018年にシドニー国際空港のために制作した《United Neytions》。「空港の国際地域や荒れ地に代々住み続ける先住民族」を祝福する目的で、大きな吊り旗を一面に配置したものだ。
ムーアは、「オーストラリア館が私の作品を評価し、選んでくださったことに感謝しています」とコメントしている。
ヴェネチア・ビエンナーレの各国パビリオンでは、先住民族のアーティストによる発表が増えている。2019年にイヌイットのアーティスト集団「イスマ」がカナダ代表として初めて参加し、2022年には、歴史的にスウェーデン、ノルウェー、フィンランドの白人アーティストが行ってきた北欧館を、サーミのアーティスト3人が行い、「サーミ」の名前で発表した。(翻訳:編集部)
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