人気NFT「BAYC」発行企業、大手VCアンドリーセン・ホロウィッツと資金調達交渉
爆発的人気を集めるPFP NFT(Profile-Pic NFT=プロフィール画像NFTの略)プロジェクト、Bored Ape Yacht Club(ボアード・エイプ・ヨットクラブ、略称BAYC)を手がけるYuga Labs(ユガ・ラボ)が、米国の有力ベンチャーキャピタル(VC)と資金調達の交渉を進めている。
Yuga Labsが交渉中のベンチャーキャピタルは、アンドリーセン・ホロウィッツ。同社の共同創業者、マーク・アンドリーセンは、ARTnewsが選ぶトップ200コレクターの一人だ。
フィナンシャル・タイムズの報道によると、Yuga Labsはアンドリーセン・ホロウィッツへの株式売却により数百万ドル規模の資金調達を目指しており、その評価額は40億〜50億ドルになるという。まだ交渉は成立しておらず、今後どちらかによる条件変更や、交渉の打ち切りもあり得る。
NFT市場の重要なインフラであるOpenSea(オープンシー)やMakersPlace(メーカーズプレイス)などのプラットフォームには多くの投資家が出資しているが、現時点でBAYCのような個別のNFTプロジェクトへの投資事例はまだない。Uber(ウーバー)やAirbnb(エアビーアンドビー)など、多くのスタートアップ企業への投資で知られるアンドリーセン・ホロウィッツがYuga Labsに出資することが決まれば、この種のプロジェクトでは初の案件となる。
Yuga Labsは、ゴードン・ゴナー、エンペラー・トマト・ケチャップ、ノー・サス、ガーガメルという仮名で活動する4人によって設立された。立ち上げからまだ1年足らずで、わずか11人の小さな会社であるものの、BAYCの価格は急上昇。初のPFP NFTプロジェクトとして歴史的価値が認められ、格上とされているCryptoPunk(クリプトパンク)を上回ったこともある。発表されてからさほど時間が経っていないにもかかわらず、BAYCの取引額は7億5000万ドルに上る。
Yuga Labsはさらに、パーティーイベントの開催や種々のコラボレーションにより、デジタルコミュニティをリアルの世界に広げようとしている。BAYCの購入者には、ジャスティン・ビーバー、スヌープ・ドッグなどのセレブリティも多い。(翻訳:野澤朋代)
※本記事は、米国版ARTnewsに2022年2月4日に掲載されました。元記事はこちら。