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国内のオークション2022年度の日程、オンライン入札やライブ中継も

オークションといえば、ヤフオク? メルカリ? いえ、アートオークションに興味はありますか? クリスティーズやサザビーズといった世界的な企業だけでなく、日本にもアートオークション会社があり、現代アートの取扱数も売上高も好調なようです。今年度、日本で開かれるアートオークションの主な開催予定を調べました。

「第 51 回 SBI アートオークション|モダン&コンテンポラリーアートセール」に出品予定の井田 幸昌《Gang Star》(ロット番号156。落札予想価格は 1000万~2000万円)

アートの購入手段として海外では一般的なアートオークションが、国内でもようやく身近になってきたようだ。ネットのオークションサイトに出品された美術品を購入するのは手軽だが、オークション会社主催のセールの強みは、下見会で実物を確認できること。専門家による来歴鑑定などもされ、信頼度は高い。事前に登録すれば、オークション会場に行って応札風景を見学したり、入札に参加したりも出来る。また、下見会は美術館級の「お宝」アートを間近に見られる好機だ。出品作品の募集も広くされており、いったん購入した作品を手放す「二次流通」の市場としても認知されつつあるようだ。

さまざまなオークション会社のセールがあるが、うち、日本で近現代アートを取り扱う主な4社の2022年度のスケジュールを下記にまとめた。現時点(4月27日現在)で予定されているオークションは計22。中にはオンライン入札が可能な回や、ライブ配信する回もある。興味のあるジャンルがあれば、のぞいてみてはいかが。

国内オークション 2022年度日程

※メインセール:主に絵画ジャンルの高額品のみを集めたセール
掲載情報は予定で、変更となる場合もあります。詳細は各サイトをご確認ください。

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例えば、SBIアートオークションは5月27、28日、第51回モダン&コンテンポラリーアートセールを開く。入札には会場や書面でのほか、オンラインでも参加できる。また、YouTubeでリアルタイム視聴もできる。今回出品されるのは、ARTnews JAPANの尾上右近さん連載の初回に登場した井田幸昌の作品のほか、昨年全世界のオークション総合売上高ランキング10位に入った草間彌生、しばしば物議を醸すバンクシーら。

同社が今年3月、アートフェア東京の期間中に開催した企画セールは約12億8000万円を売り上げた。これまでの登録顧客は50カ国以上、落札総額の3割を海外顧客が占めるという。

第51回のオークションと下見会(同25、26日)はともに、代官山のヒルサイドフォーラム(東京都渋谷区猿楽町)で。ほかに、空山基の等身大のセクシーロボット、村上隆の初期作品、タイガー立石の立体作品、ロッカクアヤコのキャンバス作品、さらに、アンディ・ウォーホル、カウズ、奈良美智、瑛九、戸谷成雄、岡崎乾次郎、KYNE、花井祐介、小松美羽なども出品予定という。

マレットジャパンは、2005年創業の美術品専門オークション会社だ。次回は5月19日のモダン・コンテンポラリーアートセールで、計208点を競りにかける。ダミアン・ハースト、バンクシー、草間彌生、ウォーホル、フランシス・ベーコン、ピカソ、シャガールら著名作家の、シルクスクリーンやエッチングなどのエディションものが多く出品される。また、マリー・ローランサンの油彩(落札予想価格600万~800万)や杉山寧の日本画(同200万~300万円)など一点ものも。下見会は16~18日で、オークションともども会場は同社内(江東区東陽)。オンライン同時入札やライブ配信も予定している。

毎日オークションは、現代アートだけでなく、古美術やジュエリー&ウオッチ、茶道具なども扱っている。次回のセールは5月13日で、絵画・版画・彫刻のオークションを開く。ジョルジュ・ルオー(落札予想価格400万~600万円)、藤田嗣治(同300~500万円)、小磯良平(同300万~400万円)のほか、草間彌生、杉山寧、香月泰男などが予定されている。下見会は11、12日で、会場は同社(江東区有明)。

ワイン・リキュールや古美術なども扱っているシンワオークションの近代陶芸と古美術のセールは、6月11日に開かれる。藤田喬平のガラスの花瓶や陶芸家の加守田章二の花瓶などが出品され、オークションの模様はYouTubeでライブ中継を予定している。また、7月9日にはコンテンポラリーアートのセールも開く。現代アートではないが、8月以外は毎月1回以上、いずれかのジャンルのセールを開催する計画という。

なお、参加方法などはオークションにより異なるので、詳細は各社のサイトでご確認を。

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