旧消防署をリノベ。ダニエル・アーシャム、TOTOトイレ付きNY自邸を14億円超で販売中

ニューヨークを拠点に活動する現代アーティスト、ダニエル・アーシャムが2022年から暮らしてきたソーホーの自邸が、899万5000ドル(約14億5000万円)で売りに出された。

ダニエル・アーシャム邸のガレージ。Photo: Courtesy of COMPASS

ニューヨークを拠点に活動する現代アーティスト、ダニエル・アーシャムが2022年から自邸として使ってきたソーホーの住宅が、売りに出されている。Designboomが伝えた。

住宅はソーホーの185ラファイエット・ストリートにあり、1887年にニューヨーク市消防局(FDNY)第55エンジン中隊の消防署として建設された。設計を手がけたのは、19世紀アメリカを代表する建築家の一人、ナポレオン・ルブラン。地下1階、地上3階建てのこの建物は1982年まで消防署として使用されたが、ラファイエット・ストリートの拡幅に伴い、その役目を終えた。その後もしばらく市が所有し、消防副本部長トーマス・R・ラングフォードの宿舎として使われた時期もある。

総床面積は約202.4平方メートル。1階には消防署時代のコンクリート打ち放しの床や高さ約4.6メートルの天井がそのまま生かされたスタジオ兼ガレージが広がる。建物にはカーブカット(車両乗り入れ用の歩道切り下げ)が設けられており、室内へ直接車を乗り入れられる点は、歴史的建造物が密集するマンハッタン中心部ではきわめて希少だ。2023年にArchitectural Digestが行ったインタビューでアーシャムは、ポルシェの熱心なコレクターで、当時はロングアイランドとマンハッタンを毎日車で往復していた自身にとって、この特徴が購入の決め手だったと語っている。

ダニエル・アーシャム邸内部の様子。Photo: Courtesy of COMPASS
ダニエル・アーシャム邸内部の様子。Photo: Courtesy of COMPASS
ダニエル・アーシャム邸内部の様子。Photo: Courtesy of COMPASS
ダニエル・アーシャム邸内部の様子。Photo: Courtesy of COMPASS
ダニエル・アーシャム邸屋上の様子。Photo: Courtesy of COMPASS
ダニエル・アーシャム邸外観。Photo: Courtesy of COMPASS

アーシャムは購入後、大規模な改修を実施した。模様積みのレンガのファサードやテラコッタのロゼット装飾など、旧消防署の歴史的な外観はできる限り保存しながら、床や梁を補修・更新。キッチンや浴室も全面改装した。トイレには日本メーカーTOTOの便器を採用しており、日本でたびたび展覧会を開催してきたアーシャムらしさもうかがえる。また、この住宅を象徴するのが、各階を繋ぐミントグリーンに塗られた鉄製の螺旋階段だ。消防署時代の設備をそのまま生かしつつ、ポップな色彩を加えることで独自の空間へと生まれ変わらせた。屋上には植栽を施したルーフテラスとラウンジスペースも設けられている。

歴史的な消防署建築に現代的な感性を重ね合わせたこの住宅は、日用品やアニメキャラクターを架空の考古学的遺物へと変換し、時間や保存、物質の歴史を探求してきたアーシャムの制作テーマとも深く響き合っている。

現在、この物件はCOMPASSを通じて899万5000ドル(約14億5000万円)で売りに出されている。30年ローンを利用した場合の毎月の支払額は4万7562ドル(約765万円)とされている。

あわせて読みたい